色あわせ、糸あそび。

Sashiko brings a smile.

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刺し子10作目は、花あそびの花ふきん

 

去年の12月に、麻布に花糸で刺し子をしてみたい、という思いをとりあえず果たせた私。次は、染色アトリエKazuさんの段染めの細糸を使って、また花ふきんを刺したくなっていました。

年末年始の慌ただしさ、遠方に住むひとり暮らしの父への対応と心配。そんな日々の中で、何度も刺し子を中断したこと、それでも隙間時間を見つけては刺し子布に向かっていたことを思い出します。

綺麗な色の糸に触れていると、心が落ち着いてくるのでした。刺し子タイムは、自分をニュートラルに戻す時間だったのかもしれません。

半年以上たちましたが、当時を振り返ってみると、これからどうなってしまうのだろうという悩みや心細さもよみがえってきます。年が明けてから起こった一連の出来事、怒涛のような日々、父を失った悲しみへと続く、忘れられない作品となりました。

今、手に取れば、春を待ちわびるような色合いの、花ふきん。たくさんの小花がにこにこと遊んでいるような文様です。梅雨も明けてしまったこんな時期に、とは思いますが、ちゃんと記録しておこうと思います。良かったらお付き合いくださいね。

刺し子初心者。10作目は、ホビーラホビーレさんの「花あそび」390です。

 

 

刺し子の画像_花あそびの花ふきん1

花あそび

 

 

■上品で繊細なアトリエKazuの細糸

刺し始めたのは、雪の降る寒い日でした。降雪のほとんどない静岡県に住む父は、昔から雪を見るのが大好き。こちらで雪が降っていると言うと、いつも羨ましがる人でした。

雪の降る様子を動画に撮って父に送ったら、喜んでくれましたっけ。そんなあの日のことも、セットで思い出します。

さて。
心を温めてくれるような、春色の糸。それが、今回使った染色アトリエKazuさんの細い段染め糸です。

3個セットでパッケージされていたものを、デパートの催事で入手したのですが、それをそのまま、3個とも使おうと決めました。花あそびが、3方向を刺していく文様なので、ちょうど良かった、というのもありますね。

①ピンク~薄パープル~薄グレー系
②ピンク~薄パープル~濃パープル系
③パープル~薄ピンク~グリーン系

どれも、可愛らしく美しい色合いです♡

 

刺し子の画像_花あそびの花ふきん2

アトリエKazuの3個セットの糸

 

枠線と縦方向は、①で刺しました。想像以上の糸色の可愛らしさ。そう、これは刺してみるまではわかりませんでした。

「こんなに可愛い色の糸だったんだね」と、メモにも書いていて。とにかく淡さ加減が絶妙で、すごく好み。20/3という糸の細さも、繊細で素敵です。気持ちが上がります。

 

刺し子の画像_花あそびの花ふきん3

淡いグラデーションが綺麗な糸。右側は裏面

 

次に、斜め方向。まずは②で。①より少しだけ、色が濃いですね。でも、可愛い!
そして、同系で色違いの段染め糸を合わせていくことで、より上品でお洒落な絵になってくることがわかりました。

 

刺し子の画像_花あそびの花ふきん4

斜め方向の刺し始め。右側は裏面

 

刺し子の画像_花あそびの花ふきん5

同系色で色違いのグラデは品が良い。裏も可愛い。

 

もうひとつの斜め方向に、③の糸を使います。こちらもパープルや薄ピンクが同系色となりますが、パステル系のグリーンが入っていることで、ちょっとしたアクセントになります。①②③の段染め糸は、セットになっているだけあり、すごく素敵な組み合わせだと思いました。

 

刺し子の画像_花あそびの花ふきん6

グリーンの入った段染め糸で。右側は裏面

 

刺し子の画像_花あそびの花ふきん7

続いて枠飾りも同じ糸で

 

■渡す糸が透けることは、是か非か

花あそびの刺し方は、とてもシンプルで難しいことはありません。ただ、布と布の間に糸を“渡す”部分が多く、そこでちょっと時間をとられます。

この“渡す”ということで、糸が透けて見えてしまうのが、以前はあまり好きじゃありませんでした。渡した糸が目立つと、文様の完成形がぼやけてしまう、それが残念だったような気がします。

✻最初の作品の記事で書いてますね↓

tsukikana2.hatenablog.com

 

ところが!
今回、花あそびを刺していて、中の糸が透けて見えるのが「綺麗」と思えるようになったんですよね。

半透明に糸の色が見えてくる様子が、夏の和菓子を思わせるようではないですか。

葛皮を通して中の餡が見えてくる、そんな感じです。錦玉羹ほどの透明感ではないのですが、中の色味を外から愉しむのは近いかも。半透明でマットだけど可愛い色、という点では、琥珀糖のイメージもある気がします。

 

刺し子の画像_花あそびの花ふきん8

渡した糸が透けて見える

 

透けて見えることを前提として、枠外から針を入れるときも、それが延長線上になるように角度をつけました。

 

刺し子の画像_花あそびの花ふきん9

角度をつけて針を入れる

 

光に透かすと、控えめに六角形の亀甲模様も浮かび上がってきて、そんなところも素敵だと思えます。

 

刺し子の画像_花あそびの花ふきん10

うっすらと浮かぶ亀甲模様

 

どうして今回は、渡す糸が透けることを「是」と思えたのか・・・
色味が可愛いからかもしれません。また、細い糸だから良いのかも?
ゴリゴリしてなくて、目立ち加減が可憐に感じたのでしょうか。不思議なくらい、渡した糸に好意を持つようになりました。笑


■少しずつわかってくること

グリーン系の入った③の糸が、少し締まった印象を与えてくれるので、これを枠飾りにも使いました。

いつものように、コの字とじをして、水通しで印刷線を消し、半乾きでアイロンをかけて、完成です。

そうそう、アイロンは、布がちゃんと乾くまで当てた方が良いですね。湿り気が残っていると、木綿の特性として乾くときシワが出てきてしまいますから。

 

刺し子の画像_花あそびの花ふきん11

花あそび、完成です

 

刺し子の画像_花あそびの花ふきん12

やっぱり裏も可愛い♡

 

アイロンといえば。
布の仕立ては、これまでと同じにしました。ただ、2枚の布を同サイズで折るときに、アイロンを使うのをやめました。

晒布は爪を使ってこするだけでちゃんと折れますし、アイロンでしっかり折ってしまうよりも、最後のコの字とじのときに微調整しやすいからです。

このような、本当にささやかなことでも、回数を重ねていくうちにわかってくること、気付くことが、いろいろありますね。

最初の頃は、なるべく失敗したくない、しかも近道して満足感が欲しい、と思っていたような気がします。正解を知りたい!みたいな。いやあ、傲慢でしたね~、私。

小さなトライ&エラーも、面白がれるようになりました。成長したかな?笑


この花あそびが完成したのは、2月中旬でした。この後、父が倒れ、そして他界。全く刺し子に手をつけられない時期が続きました。

 

✻気になって下さった方は、よろしければこちらをご覧ください↓

tsukikana.hatenablog.com

 


気がつけばもう、明日から7月。早いものですね。
驚くほど早い梅雨明けといきなりの猛暑続きで、今年は本当に大変。熱中症も心配です。
どうぞ皆様、ご自愛くださいませね。

今、私はまた、刺し子をし始めています。そして、やっぱり刺し子タイムは心が落ち着くなあと感じています。楽しめています。

相変わらずのんびりペースですけど、まだしばらくは刺し子と仲良くしていたいなあと、思っております。
ちょっと先かもですが。。。次回に続きます♪

 

 

刺し子の画像_花あそびの花ふきん13

可憐な色味が似合う花あそび