色あわせ、糸あそび。

Sashiko brings a smile.

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刺し子12作目は、流水の花ふきん

 

8月も残り2日となりました。長かった夏も、そろそろ後ろ姿を見せています。

夏の間に、涼し気な文様を刺してみようかな、なんて思っていたのですが、ちょっとのんきにしてたらもう季節が変わろうとしていて、少し慌てました。お盆を過ぎると、秋の気配が漂い始めるんですね。

でも、なんとか8月中にひとつ、仕上げることができました。

刺し子初心者。12作目は、ホビーラホビーレさんの「流水」403です。

 

 

刺し子の画像_流水の花ふきん1

流水



■祈りの込められた古典柄

この刺し子布は、ホビーラホビーレさんの店頭で見掛けて買い求めたものです。水の流れを曲線で絵画のように表現していて、粋で大人っぽいデザインだなあと気に入ったのです。

後でホビホビさんのサイトを見て、流水文様というのは古典柄であると知りました。苦難や厄災を流すお浄めの意味がある文様とのことです。着物の柄にもよく使われ、男性にもおすすめの模様なのだとか。それを、刺し子用にアレンジしたそうです。

厄災。まさに今、私たちが経験しているやっかいな疫病のことが頭をよぎります。早く終息して、と願ってから、もう3度目の夏を見送ろうとしているのですね。

私も、お浄めの祈りを込めながら刺そうと思いました。絶えず止まることなく流れる、清らかで美しいせせらぎを心に浮かべると、穏やかに気持ちが整っていく気がします。

この文様、他にも“火から身を守る”などの願いも込められているようです。伝統文様に込められた意味や祈り、願いについて、刺し子を始めるまではあまり考えたことがなかったのですが、今は興味を覚えるようになりました。


さて、まずは布の準備から。
今回も、最後にコの字とじで仕上げることにしました。

一目刺しではないので、枠外での糸処理ができない。それなら最初に仕立てておいてもいいかな、とも思ったのですが、コの字とじだとふきんの角が綺麗に作れるので、やはりこの方法にしました。

ちょっと慣れてきたのか、準備が早くなった気がします。布を裁つときも、印は表布にだけつけて、待ち針で表裏合わせて一緒に裁ちます。表布の縫い代を折り込み、それに合わせて裏も折り込めばOK。その後、仕付けをかけます。

 

刺し子の画像_流水の花ふきん2

枠外1.5㎝の余白をとり、縫い代分をとって、裏布と一緒に裁断

刺し子の画像_流水の花ふきん3

裏布には印をつけずに、表に合わせて折り込む

 

■アトリエKazuは太糸も可愛い?

糸は今回、1種類だけ使用しました。染色アトリエKazuさんの段染め糸です。20/6という太い糸で、この太さは初めてでした。
※20/6…20番手の糸を6本撚ったもの

 

刺し子の画像_流水の花ふきん4

どんな表情を見せてくれるかな?と糸を置いてみる

 

ごつい感じになるのかも、とちょっと心配しましたが、大丈夫。Kazuさんの糸は太くても可愛いようです。笑

太糸はふっくらしていて、縫い目がぷくぷく立体的になり、愛らしい表情になるのだと知りました。ほんと、刺してみるまでわかりませんね!

そして、色。ブルーからグレー、ベージュへと続くグラデーションが綺麗です。このベージュがまるでミルクティーのような色合いで、甘く優しく可愛らしい♡

そうそう、この糸は去年、玉巻きの記事を書いたときに糸玉にしたものです。ようやく出番が回ってきました!

 

tsukikana2.hatenablog.com

 


■刺し始めと刺し終わり問題

まずは、枠線を刺します。枠線は、糸端の処理が今まで通りに枠外でできました。

 

刺し子の画像_流水の花ふきん5

枠線を刺す。右側は糸端の処理。

 

けれども。
今回のデザインは、規則性のない曲線を描いていて、これまでのように全て枠線の外で糸端同士を固結びする、ということができません。刺し始めと刺し終わりをどうするか。

玉留めを避けたい私は……そう、3針返し縫いをするしかないのでしょう。重なった部分の膨らみが、太い糸だと余計に気になりますが、仕方ありません。

せめて、端から端までつながるラインは、枠線に重ね縫いすることに。その次に、端から始まるラインは、刺し始めだけでも枠線に重ね縫いして、刺し終わりは返し縫いに。・・・あがきます。笑

 

刺し子の画像_流水の花ふきん6

刺し始めは枠線に重ね縫いして

刺し子の画像_流水の花ふきん7

中で終わるラインは、3針返し縫いで始末

刺し子の画像_流水の花ふきん8

裏はちょっと盛り上がるけど。右は表側。さほど目立たない?

 

できるだけ、糸処理をする箇所を少なくしたいので、まるで一筆書きをするように、道順を考えました。脳トレになるんじゃ?と思うくらい悩みましたが、良いコースを見つけると喜びが溢れてきました。笑

 

刺し子の画像_流水の花ふきん9

布と布の間に糸を渡し、切らずにつなげていく

刺し子の画像_流水の花ふきん10

1か所だけあった糸端ご近所さん。枠外固結びはやはりラク♪

 

そして、最後には観念して(笑)、残ったラインは刺し始めも返し縫いをしました。

 

刺し子の画像_流水の花ふきん11

刺し始めの返し縫い。飛び出した糸は後でカット

 

道順には悩みましたが、特に難しいこともない、素直なデザイン。ただカーブが多いので、布がつれないように、糸の引き具合にはちょっと気を使いました。

この後、枠飾りをして、コの字とじをし、水通し、アイロンをかけて完成です。

 

刺し子の画像_流水の花ふきん12

流水、完成です。

刺し子の画像_流水の花ふきん13

裏はこんな感じ

 

■幾何学模様とは違う魅力

規則性があり、連ねることによって面白味が増してくる幾何学模様が、私は好きです。そんな文様が多い刺し子ですが、そうでないデザインもあることは知っていました。

絵画のような曲線を刺していくことを、幾何学模様が好きな自分は楽しめるかな?と少し心配していたのですが、どうやら杞憂でした。

シックで素敵なデザインだったからでしょうが、美しい水の流れを破線で表現していくことが、とても気持ち良かったし、仕上がりが楽しみでした。

これからも、自分の好みを頭で考えず、直感で「刺してみたい」と思った文様にトライしていこうと思います。糸処理のことも、なんとかなるかと。笑

いろいろ、縛られずに自由に楽しめたらいいですよね。可愛い糸を触っていたら突然、ミニチュアの帽子を編んでみたくなり、刺し子の途中で横道にそれたのですが、それもまあ、自由でOKということで♪

 

刺し子糸で編んだミニチュア帽子

おまけ。刺し子糸で編んだちびっこ帽子

 

さて、次は何を刺そうかな。今、楽しく考え中。(*^-^*)
次回に続きます♪

 

 

刺し子の画像_流水の花ふきん14

粋で涼し気な流水