刺し子に親しむようになり、隙間時間を利用して花ふきんを作っていく楽しさを知りました。印刷線に沿って糸を刺し、少しずつ文様が色づき浮かび上がってくるのを見るのは、本当に心弾むものです。
ただ、手が遅い私には仕上げるまでに時間がかかります。そして、まだまだ完成には遠いなあ、と思っている間にも、WebやInstagramで次々と素敵な作品を目にし、「私も今度はこの文様を刺してみたい」と何度も思ってしまうのでした。
そんな気持ちのあるうちに、ちょっとだけでも試せたら、モチーフだけでもどうなっているのか確認できたら・・・。
とりあえず、5ミリ方眼のノートに8センチ~10センチ四方くらい、モチーフを落とし込んで、「ここはどう進めているんだろう」「どうくぐらせていくんだろう」「ああなるほど、こうつなげるのね」なんて解析めいたことをして楽しんでいたのですが、「これ、そのまま布で試してみたいな」と……。
はい。
もう、後回しにしてばかりなのはやめようと思います。何に使えるか、なんて考えず、とにかく小さな布で試してみることにしました♪
■晒布を持っていた?
小さな布で。
そう思ったのですが、これまで図案印刷入りではあるものの、晒(さらし)布を使って刺し子をしてきたので、作ったものをこの先サンプラー的にも活用したいのなら、ここはやはり晒布でいきたい。
で、思い出したのです。私、晒布を持っていました!
それは、長女だったか次女だったか。
どちらかわかりませんが、おなかにいるとき、戌の日参りで神社でいただいてきたもの、いわゆる腹帯でした。使わずに引き出しの奥にしまっておいたのですね~。笑
ざっくり30年くらい前のものですが、試し刺しするには問題ないだろうと、利用することにしました。まっさら綺麗なままですし。黄ばみもないし、きっと質は良いのでしょう。
刺し子で使う晒布も、いろいろな種類が販売されていますよね。いつか、もし、万一、ふきんを自作するために反物で買う、なんていうことになったら、晒布の種類についてもしっかり勉強したいものです。
■晒布に方眼線を
花ふきんを反物の晒布を裁断して自作する方に、尊敬の念を禁じ得ません。メーカーの図案に頼らず、ご自分で方眼線などを晒布に引くのですよね。ああそれ、やっぱり私には無理だろうなあ。
あんな広い面積を5ミリ方眼とかで埋めていくなんて!
以前、小さな敷物に刺し子のあしらいをしたとき、ちょっとだけ引いたことがありましたが、ちょっとだからやれたのですね。小さなスペースなら、頑張れる。笑
✻こちらです↓
試し刺しの今回も小さなスペースだから、なんとか方眼線を引けました。ちょっとずれて直したりもしましたが、後で消すので大丈夫!
5ミリ方眼の工作用紙と、定規を使いました。
■フリクションペンで線を引く
筆記具としては、熱を加えると消えるフリクションペン。これが便利だと、かねがね聞いておりました。で、外出した折、書店と東急ハンズで入手。
フリクションボールスリム 038のピンクとオレンジ、フリクションファインライナーのライトグリーン、グリーン、ライトブルーの5本です。
ちゃんと消えるのかな?
試し書きしてアイロンで消してみます。
ライトグリーンだけ、うっすらと黄色みが残るようですね。
使用感としては、スリムの方は細くて良いのですが、布にひっかかりやすく色が出にくい、ファインライナーの方は太めで(細字、とありますが)ゆっくり書くと布に滲みやすいようです。
フリクションにもたくさん種類があって悩みます。もっと晒布に引きやすいものがあるのかもしれませんね。ご存知でしたらどうぞお教えくださいませ。
✻フリクションのサイト↓
■文様の名前に悩む
5ミリ方眼ノートに、いくつか写し取ったモチーフ。一番最初のものには「十字花刺しアレンジ」とメモが添えてあります。
最近、ネットで見掛ける刺し子の文様の名前に「?」となることが増えました。○○アレンジとか、変わり○○とか、いわゆる派生した文様なのでしょうか、これがすごく多いように感じています。
それも、人によって、あるいは会社によって、同じ名前でもデザインが違ったりするのです。例えば十字花刺しアレンジといっても、何通りもあるんですね。ああ、そうか、アレンジなんだから自由でいいんだ、なんて、初心者はやっとわかって赤面したりします。
ただ、伝統文様だと思っていたものでも、人によって全然違う絵柄だったりすることもあり、やはり混乱しますね。例えば「花格子」や「花刺し」には、アレンジ以前にいろいろなデザインが見受けられます。
また同じ絵柄にしか見えないのに、人によって違う呼び方をしていたりすることもあり、自由でいいのだろうけど、ややこしいなあ、なんて苦笑することもあったりして。
なので、これが本当に「十字花刺しアレンジ」と呼んでいいものかわかりませんが、とにかく「可愛い、真似してみたい」と思ったモチーフだったので、形になったときにはすごく嬉しくて、やり方もわかって満足したのです。
十字花刺しは、以前、ミニ花ふきんで刺したことがありました。大好きな文様です。
✻そのときの記事がこちらです↓
■文様の細かさと糸の太さの相性が試せる
次に試したのは「変わりあじさい刺し」。…かな?笑
Instagramで見掛けて、すぐに方眼ノートに写し取ってみました。以前、アジサイ刺しの花ふきんを刺したとき、くぐり刺しの楽しさに魅了されたのを思い出し、いろいろなくぐり刺しをしてみたかったのです。
✻以前に刺した、あじさい刺しはこちら↓
方眼ノートが5ミリというサイズなので、この文様には細かすぎるかも?と思ったのですが、アトリエKazuさんの細糸(20/3)を使ってみたら、とても繊細な絵柄になりました。
こんな風に、文様の細かさと糸の太さの相性をチェックすることもできて、ますます試し刺しが気に入ってしまった私です。
ちなみに、試してみたいという気持ちはちょっと前から高まっていて、Kazuさんの素敵な段染め糸を、こんな風に刺しゅうしたことがあります。
いつもは「線」で見ている刺し子糸を、「面」で見てみたいと思ってしまい、100ネエサンの服を借りました(*^-^*)
Kazuさんの段染めのグラデーションは、やはり面で埋めても綺麗なんですね。せっかくだから、チャームに仕立てました♪
✻100ネエサンについては、以前もうひとつのブログで書いています↓
■小さなサイズの愛おしさ
小さな布で試し刺し。他にもいろいろメリットがありますね。
大きな花ふきんを作るには足りないな、という“余り糸”を活用することもできますし、買ってみたものの使いどころに困っている色の糸なども、サンプラーとして活躍してもらうこともできます。
私も、去年メルカリで購入した3色セットのムラ染めの刺し子糸を、これからも試し刺しで使っていきたいと思っています。可愛いと思って買ったし、今も可愛くて好きなのですが、何か作品を、と考えると難しいんですよね。
たとえば、こちらの「花格子」。←これも名前が合っているのか自信ないです
オレンジとクリームイエローは可愛いのですが、大きなものを刺すには甘さが際立ってしまいそうです。
でも、この小さなサイズだったら素直にその甘さを楽しめます。今回は2色使いのバランスを考えたかったので、この組み合わせ方が今後の参考になりそう。
それにしても、小さなサイズって、愛おしいですよね。このままサンプラーとして透明のファイルにでも入れていくつもりでしたが、最初に刺した「十字花刺しアレンジ」はたまらず何かに仕立てたくなってしまいました。笑
セリアさんの小さなフォトフレームは、大きさ、深さがちょうどいいので、ピンクッションやハサミ、糸通しなどをのっけています。この軽くてコンパクトなトレイのおかげで、あちこち移動して作業できます(*^-^*)
でもまあ、フレームの雰囲気と、この刺し子糸のピンクは似合いませんね~。笑
そのうち差し替えますが、しばらくはこの文様の可愛らしさを手元で味わってみることにしましょう。
小さな布でモチーフを試し刺し。なかなかの楽しさで、しばらくはまりそうです。自分でも○○アレンジ、なんて考えられたら、きっともっと楽しくなりますね。
そして、いろいろ便利そうですよ。例えばポーチとか、刺し子をあしらった何か小物づくりをするときにも、モチーフの大きさがわかっていればイメージしやすいかもしれません。
「ああ、こんな文様をこんな風にあしらって仕上げたら素敵だろうなあ」などと、いろいろ妄想が膨らみますが、…それにつけてもお裁縫が上手になりたい私です。笑