これまで私が作ってきた3枚の花ふきんは「霰亀甲」「花亀甲」「麻の葉」。いずれも六角形を基本とした文様でした。
六角形は落ち着きます。雪の結晶やミツバチの巣など、自然界にも多い形だからでしょうか。秩序や調和、安定感のようなものを感じ、心地よいのです。
以前、よく描いていた点描曼荼羅も、8方向より6方向の広がりの方が、全体の形として素敵だと思ったものでした。
✻点描曼荼羅。もうひとつのブログでずっと前に書いた記事です↓
でも、ちょっと違う形も経験したくなりました。徐々に試してみたいと思う新しいこと。そのひとつが六角形モチーフでないもの、だったのです。
また、Instagramでよく目にする「くぐり刺し」という技法や、「枠飾り(額縁飾り)」というものにも、今回は挑戦してみようと思いました。
そして、前回までのモヤモヤのタネだった糸端の処理。これを、仕立て方を変えてみることで解決しようと考えました。
刺し子初心者。4作目は、ホビーラホビーレさんの「あじさい刺し」324です。
■くぐり刺しで花開く、あじさい刺し
手が遅い上に、何かと忙しくて隙間時間を見つけるのも難しく、なかなか先に進まない自分がもどかしかったのですが、チラチラ見せていただく他の方の刺し子作品が本当に素晴らしく、トライしてみたいものばかりが増えていきました。
(それは今も、同じかもしれません)
そのひとつが、あじさい刺しでした。縦横2方向に刺して、後から別糸をくぐらせる技法で、あじさいの花を咲かせます。そう、くぐらせることで花開くのです。
もう、刺す前からワクワクしていました。ネットでも「とにかくくぐらせるのが楽しい」という声が多かったからです。
あじさい刺しは、よく見かける人気のデザインなので、てっきり伝統文様かと思っておりましたが、刺し子作家・銀座亜紀枝さんが考案された創作模様なのだそうです。
■布の仕立て方を変えてみる
糸は、ホビーラホビーレさんのアクアブルー(119番)と濃ピンク(111)、くぐらせる糸としてパープル(112)を使用。“紫陽花色”を、狙いましたが、パープルのシックな感じを際立たせるためには、もしかしたらアクアブルーよりグレー系が良かったかも。スッキリさせたくて、ぼかし糸ではなく、単色3つに。糸選びで悩むのも楽しいですね。
さて。
前回の「麻の葉」で、裏を糸処理のバックヤードにしたくない、という気持ちが膨らんだ私。ネットで知った、枠線の外側で糸端同士を結ぶ、という方法をとってみることにしました。
つまり、最初に表布と裏布をくっつけてしまわないで、刺し子の作業が終わってから布の端を閉じるわけです。
バックヤードは「裏」でなく、布の「間」にするんですね。
表布と裏布を、同じ大きさで印付けをして、同じ分縫い代をとって裁断する。これがなかなか……。水で消えるチャコペンを強めに押し当てて、表裏同時にサイズ取りをしましたが、ずれてしまいそうでちょっと緊張しました。
四隅の縫い代部分は、互い違いに折り込むように、仕付けしておきます。この折り込み方式は、直角がきれいに出ていいな、と思いました。
※このときは、まだよくわかっていなくて、アイロンで出来上がり線を折った後、表裏の布を合わせて仕付け縫いしてしまいました。なので、刺し子作業が始まるとすぐに仕付け糸を切るはめに。縫い代の布端が作業の邪魔になってしまいました。表布、裏布、それぞれをまず仮止めとして仕付けしておき、その後で2枚を仕付けする、というのが正解なのですね。
■またまた刺し方と刺し順に悩む
さあ刺し始めようと、刺し子布に同封されていたホビホビさんの説明書を見た私。前回同様、頭の上で「?」が乱立しました。
私が思っていた「あじさい刺し」と違うのです。このままでは、イメージと違うお花が咲くことに。
慌ててネットで検索すると、同じように思われてる方がたくさん。ホビホビさんと違う方法で刺しました~というお話に安心しました。私も自分の思っている「あじさい刺し」を作ろう、と。
ただ、もうひとつ、悩みどころがありました。
あじさい刺しの印刷図案は、間のあいた大きな十字と、あいていない小さな十字で構成されています。
この十字を2種類とも終わらせてから、最後にくぐり刺しをする方法と、大きな十字の後にくぐり刺しをして、後から抑える感じで小さな十字を刺すという方法。ふたつの方法のどちらを選ぶべきか、うーむと唸ってしまいました。
糸をくぐらせる、というのがどんな作業になるのかよくわからないけれど、多分、広いスペースをすーっすーっと流した方がラクなんじゃないかと、素人考えで、後者を選んだ私でした。
※ひとつの方法を選ぶと、他の方法が気になります。笑
次にあじさい刺しを刺すときは、違う方法も試してみたいと思いました。
■枠の外で糸同士を結ぶって、いいな
仕付けが終わったら、まずは枠線を並縫い。その後、縦方向、横方向に刺して、大きな十字を作っていきます。この十字に、後で糸を引っかけることで、くぐり刺しとなるわけですね。
糸の長さは、1往復の距離に糸を結ぶための余裕を持たせた長さに。行って帰って固結び(真結び・本結び)するだけで糸処理が終わるということが、とてもストレスフリーになると知りました。もうきっと、3針返し縫いには戻れないと思います。笑
ただ、ラインの数が奇数の場合は工夫が要ります。行って帰って、次に行ったら終わる場合です。ひとつ前に結んだ糸の端を、もう一度結び相手として利用。最後のラインの糸端は、ひとつ前に枠外でターンさせた部分を使って、ひとり結び(そんな言葉があるのか?)することで、良しとしました。
■糸の長さの見当に手間取った、くぐり刺し
大きな十字が刺し終われば、いよいよくぐり刺しです。こちらも糸処理は、行って帰って枠外で結ぶ方法。
ここで、糸の長さの見当、という問題が出てきました。一直線でなく、くの字形で進むので、どれくらい必要になるのか、縦方向、横方向で、それぞれあたりをつけておきたいのです。
辺の長さ×2.5。これにターンするところの長さと糸を結ぶときの余裕を加えたものが、1往復の糸の長さ、と自分なりの目安を確定し、必要な本数をその長さで切って揃えておきました。
(最初は長めに用意した糸で一往復して結び、そのとき何センチ余ったか、で微調整)
このくぐり刺し、どこから始めたらいいのか、素人はどぎまぎしましたが、ネットで写真付きで説明してくださる方たちのおかげで、なんとかできました。本当に、感謝!です。
糸の引き加減も難しかったです。引っ張り過ぎてないか、引き加減が揃っているのか、常に不安でした。
でも、くぐらせるって、本当に楽しい♡
■枠飾りで華やか&リッチに
くぐり刺しが終わったら、その糸を抑えるように、小さな十字の出番です。縦横をピンクの糸で刺していくと、お花の芯ができて、見違えるように可愛くなりました。
そして刺し終わったら、お楽しみのひとつ、枠飾りをします。枠線の並縫いに、別糸を絡めていくだけなのに、華やかさが加わり、ちょっとリッチな感じになってびっくり。ほんのひと手間で高級感が出るなんて、楽しいですね。
最後は、表布と裏布を合わせてコの字とじ。確かにこれ、面倒です。でも、バックヤードに感謝と別れを告げながら、ひたすら縫い合わせていきました。
四隅の縫い代のかみ合わせも、きちんと仕付けをしておけばきれいにでき、気持ちの良いものです。
水通しで印刷線とチャコペン線を消し、乾いてからアイロン。達成感!
■やっぱり裏も可愛い
パープルの糸は、くぐり刺しと枠飾りに使っただけなので、裏はピンクとブルーのチェックになっています。
ああでも、やっぱり可愛い。シンプルな裏の表情も好きです。
小さい十字(ピンクのパート)を、糸を裏に出さずに渡す(布と布の間に通す)というやり方で刺す方法もあるのですが、それだと、裏のチェックはブルーのみになるわけですね。そちらもちょっと、心惹かれます♡
心惹かれるといえば、巷にあふれる素敵な文様の数々に、私はどんどん興味津々になっていきました。でも、自分のこのペースでは、なかなか新しい柄に着手できません。
で、ひとまず次あたりは、サイズを小さなものにしてみても良いかも、と思い始めていたのでした。
次回に続きます♪