過ごしやすい季節になりましたね。秋晴れの日は、外歩きも楽しくて、ついつい歩きすぎてしまいます。秋の夜長は針仕事にもぴったりなのですが、眠くって・・・笑
針仕事。
この夏から秋にかけて、私の針仕事は小物づくりが中心でした。それからフランス刺しゅうも。でも、刺せるばかりの状態にしておきながら、ずっと手つかずの花ふきんの存在があり、それがいつも気になっていました。
花ふきんを刺すのは大好きなので、早く手に取りたかったのですが、諸般の事情で2か月くらい放置してしまったのです。その子は袖机の上に置いてありました。そばを通るたびに「ねぇまだ?」と聞かれてる気がしていたんですよね。今、ちょっと安堵しています。
仕上げのアイロンをかけながら「お待たせ。やっと完成だよ」と声をかけた相手は・・・
ホビーラホビーレさんの「網代(あじろ)」352です。
■刺し順を知りビックリ
今回も、糸端は枠線の外で処理したいので、周囲を閉じるのは最後にします。表布の縫い代を先に折り込んでおいて、2枚の布を仕付け糸でとめてから、表布に合わせて裏布の縫い代を(指アイロンで)折り込むと、幅がきれいに揃います。
ところで、この文様を見たとき私は、すっきりと潔いデザインがとても好みだと思いました。「網代」というのは漁具のひとつ。魚をとらえるために、薄く細く削った竹を交差して編んだもの。網の代わり。まさに、そんな感じのカゴっぽいデザインで、可愛い斜めチェックを破線で描いていくのは、楽しそう、と。
このまっすぐ続くラインを、アトリエKazuさんの秋らしい色の段染め糸で刺していこう。そう決めていました。
ところが、ホビホビさんの説明書を見て、あれ?と。
斜めに端から端まで刺していくんだとばかり思っていたのですが、3列を4針ずつ、横に刺していくんですね。
どうやら、段染め糸の色の変化をじっくり楽しめる刺し順ではないようです。斜めにまっすぐつながっていかないのですから。
けれども、Kazuさんの段染め糸を使おうと決めていた私は、とにかくやってみよう!とスタートしました。案外、面白くなるかもよ?と。
一列刺してみると、悪くない気がしました。Kazuさんの糸、やっぱり可愛いし♡
ちなみに、枠線の外で糸処理をしたいため(隣の糸と固結び)、一列分の糸は約120cmと長めです。絡まないように、摩擦で傷まないように、なるべくゆっくり糸を引きました。
この段染め糸、赤茶色や紺色の部分が長いのですが、ときどき現れる藤色や紫色、水色、ピンク色が抜群に可愛いのです。柔らかく優しい色。来た来た~って嬉しくなるんですよね(*^^*)
そんな風に段染め糸を楽しみながら、一方向が終わりました。
まあ、確かに編み込みがつながってるようには見えませんね。
さあ、この次をどうしよう。実は、刺しながらずっと悩んでいたのでした。同じ段染め糸でもう一方向も刺していったら、もはや交差模様には見えなくなるだろう、と。
■刺し順を無視してみる
私は、もう一方向をホビホビさんの説明書通りに刺すのをやめました。端から端まで、斜めにまっすぐ刺してみることにしたのです。
糸も単色で。真ん中をホビホビさんの濃ブルー(113)にして、ライトグレー(129)で挟もうと。3本の線がボーダーのように見えたら、かっこいいかな?などと思ったのでした。
実はこのブルーとグレーの組み合わせ、以前から好きなのです。ホビホビさんの刺し子糸で、買い足したのはこの2色くらいじゃないかな。
さて。
まずはブルーで刺していきました。交差するところは、布と布の間を渡します。4針ごとに渡すので、ちょっと手間ですけどね。
そして、両側をグレーで刺して、ちょっと雰囲気を見ました。
・・・うん。これなら、編んだように見えるよね。
ある程度刺していて、ふと裏を見ると、まだ刺していない部分がふっくら浮いて見えて、このふくらみすら可愛く思えてしまう私って、変なのでしょうか?笑
これは刺し終えたら消えてしまう部分なので、記念に撮ります!笑
ブルーの糸玉はとっても小さくなっていて、この文様が終わるまでもつかな?と心配でしたが、最後まで大丈夫だとわかってホッと。グレーもかなり小さかったのですが、これも最後まで刺すことができました。
■斜め方向のリスク
全部刺し終わったら、枠飾りをします。再び、Kazuさんの段染め糸で。
ところで、斜めにまっすぐ端から端まで刺していく、と決めたとき、それがどんなにリスキーなことか、私はわかっていたつもりでした。
布には縦、横があり、一番伸びにくいのが縦。次が横。そして、とても伸びやすいのが斜めです。バイヤスってやつですね。
刺し子で斜め方向を刺すとき、これまで何度か「しまった!」と思ったことがあります。糸をしごくとき、つい布を引っ張って、布が伸びてしまうのです。
その距離が長ければ長いほど、斜め方向は危険です。
絶対に、布を伸ばさないようにしなくては。そう思うあまり、私は糸を若干、引き気味にして刺し進めていきました。
この引き気味、という感覚も難しくて。経験値が必要ですよね。その加減を「均一に」できたら良いのですが、私にはまだ無理のようでした。
布に歪みが出てしまった・・・それに気づいたときは、ショックで。
こういうリスクがあるからこその、あの刺し順だったのだと、痛いほどわかりました。
次にこの文様を刺すことがあったら、そのときは説明書通りの手順にしよう。そして、この文様が生かされるように、段染めの糸ではなく単色にしよう。そう思ったのでした。
悔しいけど、学びを得ましたよ。笑
それでも、この刺し順にしたからこそ、ブルーとグレーのコンビネーションを楽しめたのですよね。
■周囲を端ミシンで閉じる
実は、先日新しいミシンを買いました。それで、最後の仕立てをいつもは手縫いでコの字とじにするのですが、今回は仕付けをかけてから端ミシンで縫ってみました。
✻端ミシン…ミシンで布端の際を縫うこと。端縫い。コバステッチ。
やっぱり早いし、ラクですね!
ちょっと感動しました。
四隅の縫い代かみ合わせも、仕付けを丁寧にしておけば大丈夫。綺麗にできます。
この後、水通しして(今回は薄めた洗剤で布端を少し洗いました)、半乾きまで乾かしたらアイロンをかけて、完成です。
少しでも歪みが目立たなくなればと、結構アイロンを頑張ってしまい、ちょっとふっくら感がなくなってしまったかも。ほんと、いろいろ難しいですね^^;
仕上がってみれば、そんなに歪みも気になりませんでした。硬めに感じたのは、アイロンのせいもあるけれど、端ミシンにも理由がありそうです。
端ミシンの良さ、コの字とじの良さ、それぞれありますよね。繰り返しますが、学びを得ました。笑
網代は日本古来の伝統文様で、邪気を払う魔除けの意味合いがあるそう。疫病など、見えない恐怖から身を守りたい思いからか、この意匠は壁紙や天井などにも多く用いられているようです。
可愛いだけでなく、意味があり願いも込められた文様だと知ると、余計に大切にしたくなるものですね。
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