花ふきんづくりも楽しいのですが、刺し子をあしらった小物づくりも時々はしたいと考えている、つきかなです。
今回は、かねてから「あったらいいな」と思っていたものを、形にしてみました。
それは、一緒に旅をしてくれる相棒です。
実家の片付けで帰省したときとか、旅先とか。なんなら新幹線の中でも、刺し子や刺しゅうができたら嬉しいな♬と思い、普段使っている最低限のお道具を、コンパクトに持ち歩けるようにしたかったのです。
刺し子初心者。16作目は、あじさい刺しをあしらった自作デザインの、がま口ピンクッションケースです。
■悩み抜いた形づくり
がま口の口金を使って、昨年暮れにはモバイルバッテリーを入れるためのポーチを作りました。
このポーチは小さな口金を使った縦長の形だったのですが、今回は少し大きな口金にして、パカッと開いた面に道具を収納できるタイプに挑戦。印鑑ケースを大きくしたような感じです。
ネットショップで欲しいサイズの口金を入手し、型紙を作りました。刺し子する表布とポケットは生成りの綿麻布を、裏布はこげ茶色のフェイクレザーを使うことに。
ピンクッションはどこにどんな形で、どんなやり方で取り付けようか、ポケットはどう配置しようか、と。実はずっと以前からちょいちょいデッサンしたりしつつ、あーでもないこーでもないと悩んでいたのです。
でも、悩んでばかりではちっとも形にならないから、「これは試作だ!」と自分に言い聞かせて、ようやくデザインを決定しました。
口金を開いた左側に、糸切バサミを入れるポケットを付けます。そのポケットにさらに半分サイズのポケットを重ねて、そこに針セットや糸通しが入るようにしました。
ポケットは強度が欲しいので、布を2枚重ね。折り曲げてポケット口を「輪」にします。重ねるポケットは中表にして一辺を縫い、表にひっくり返して下のポケットに揃えます。
重なる部分の右端は、ブランケットステッチで閉じました。
次は、ピンクッションです。口金に一部挟み込むことで、スッキリ感を出そうと思いました。針が突き抜けると危ないので、厚紙で作った型紙を、そのまま底に入れることにします。
中綿を入れたときの厚み分と、縫い代(縫わないのでのり代かな?)分をとって布を裁断。丸みのある部分はギャザーを寄せるため、2本どりの糸でぐし縫いしておきます。
中綿を入れる前に、薄いキルト綿をカットして、厚紙に貼ってみました。そして、口金にはめ込む2辺は先にボンドで接着しておきます。
手芸綿を適宜詰め込み、裏で糸を絞ってギャザーを寄せ、ボンドで接着します。ケースの構造上、クッションのふくらみは、左上が一番こんもりするように。口金に向かって薄くなっていく感じで形を整えました。
ピンクッション完成。内布(フェイクレザー)にボンドで接着します。さて、口金に沿ってちゃんと入るかな?ちょっと入れてみて確かめます。
なんとかイメージ通りにできそうです。
■可憐なあじさい刺しが大好き
続いて、表布。いよいよ刺し子を施します!
一目干網のがま口ポーチを作ったとき、刺し子をした後で布が若干歪んでしまったことを思い出し、今回は刺し子するより先に、接着芯を裏に貼ることにしました。その方がきっと、歪みにくいと思ったからです。
そして、今回は小さいとはいえハサミも入るので、布をさらに丈夫にしようと、ハードタイプの接着織物芯地を使うことにしました。
5ミリ方眼で布に線を書くのは相変わらず苦手なのですが、この芯地を貼ったおかげで、ずいぶん書きやすかったです。
ところが!
なんということでしょう。いざ、刺し子を始めたら、硬いのなんの。ちっとも針が進みません。一目ずつ針を抜かなくてはならず、往生しました。涙
何度も新しい布でやり直そうと思ったのですが、これは試作!と自分に声掛けしたせいか、だんだん変に気持ちが大らかになり?ガタガタの針目に愛嬌を感じ、可愛く思えてきたのですから、いい気なものです。笑
あじさい刺しは、以前、ホビーラホビーレさんの印刷済み布で作った花ふきんで、刺したことがありました。
今回のあじさい刺しの文様は、あのときのとはちょっと違います。同じ大きさで十字を刺し、そのあとでくぐらせます。針を刺さなくていい「くぐり刺し」タイムは、布が硬い今回、本当にありがたかったです!笑
糸は、繊細なレースっぽいニュアンスを出したくて1色に。Olympusさんのオフホワイト(202)の細糸を使用。
くぐり刺しのひと方向が終わったとき、そこに可愛い六角形が並ぶことに気づきました。刺し子って、道のりの途中でだけ出会える顔があるんですよね♡
そして、もう一方のくぐり刺しをすると、この六角形は目立たなくなってしまいます。その代わり、あじさいが咲きます♡
不思議なことに、くぐり刺しを終えると、あのガタガタだった十字が気にならなくなります。魔法みたい!
5ミリ方眼を使って細糸で刺す。そんなあじさい刺しも可憐で素敵なんだなあと、私はこの文様にすっかり魅了されました。懐も深いしね。大好き♡
■緊張の仕上げタイム
表布の刺し子が済んだら、型紙の形に裁断します。このとき、口金に入らない部分だけ、「耳」を付けます。1cm幅で3.6cmくらい。この耳は、裏に折り返して両面テープで留めました。
続いて、表布と裏布を合体。まずは中央部分(がま口の底)がずれないように、両面テープで貼り付けます。
外周をまつり縫いします。端ミシンでも良いと思いますが、私は今回も手縫い。ここは口金の中に入ってしまうので、針目を揃えようと頑張らなくて大丈夫なの。笑
口金に入らない部分(見える部分)は、まつらないでおきました。ミシンのきれいなステッチならまるっと一周しても良いと思います。
布が何重にもなっていて厚みがあるので、がま口を閉じたときに内布がだぶつく恐れがあります。クリップで留めて加減しながら縫いました。内布(レザー)の口金側の端をほんのちょっとカットして、調節もできます。
最後に、口金へのセット。これが、緊張するのですよね。
ボンドを流し込んだ口金に本体を入れ、紙紐も目打ちなどを使って押し込んだ後、口金の端(4か所)をペンチでかしめます。このとき、傷がつかないようにあて布をします。
がま口をあけたまま、数時間乾かしたら、完成です。
■いつか、リベンジします!
完成しました。
ほぼ、思い描いていた形になり、嬉しかったです♪
ポケットには糸切バサミと、針セット、糸通しが入り、ピンクッションの上のスペースにはニードルレストをセットすることもできます。
実は、接着芯の件以外でも複数の失敗をしています。悔しいなあ。
まあ、いつものことですが…。
でも、だからこそ、学びも多かったと言えるのですよね。
このがま口ピンクッションケースは、是非リベンジしたいと思います。もう少し改善・工夫したいことも見つかったし、次はきっと、もっと完成度を上げられるはず!
それでももちろん、苦労して生み出したこの子はとーっても可愛い。笑
しばらくはこちらを愛用し、旅先に連れて行きますね(*^-^*)