風薫る5月。
私の最も愛する季節がやってきました。草木が輝き、花々が咲き誇り、風に乗って本当に芳しい香りが漂ってきて、とても幸せな気分になります。
夏支度をする時期でもあり、梅雨入り前にやっておきたいこともたくさんあって気忙しさも感じるのですが、五月晴れの日などはどうしても外に飛び出したくなってしまう。素敵な季節を楽しまなくてはもったいないですからね♡
今、ゴールデンウィークの真っ只中。もうすぐ端午のお節句です。
この5月5日までに仕上げられるかなあ、出来たらいいなあ、と、途切れ途切れながらも刺してきた花ふきんがありました。なんとか昨日、完成したのでここに記録しておきます。
今回の作品は、ホビーラホビーレさんの「菖蒲」607です。
■爽やかさを感じられる色味で
この図案付き刺し子布を入手したのはいつのことだったか、全然思い出せないのです。多分、店頭で見かけて「これなら初心者の私でも難しくなさそう」と、他の何枚かの布と一緒に購入したのだと思います。
菖蒲のお花は6月頃に咲きますが、端午の節句の「菖蒲湯」のイメージがあり、是非ともその頃に合わせて刺してみたいと思っていました。今年、ようやくタイミングが合った、という感じです。
ちょっと後回しにしてきた後ろめたさから、「お待たせ。どんな色で刺してほしい?」と布に相談したりして。笑
葉っぱと思われるラインはリーフグリーン(130)、花の上部のラインはぼかしブルー(201)、下部のラインはぼかしミックス5(209)にしました。全てホビホビさんの糸です。
うーん、ベタかな?なんとなく、今回は素直に「自然の色」に近いトーンにしたくなったんですよね。
菖蒲の花は、青みの強い紫色に黄の差し色が入るイメージ。それで、黄色も入っているぼかしミックス5を主役に選びました。この糸、可愛いグリーンや水色も出てきて、大好きなんです。
新緑の季節にすっきりした爽やかさが際立ち、しかも可愛い。そんな配色を目指しました。
糸色選びも、楽しい時間です(*^^*)
■ぼかし糸の面白さ
いつものように、まずは枠線から刺していきます。全体をちょっと引き締める感じで、濃い藍色の入ったぼかしブルーを使いました。
次に、リーフグリーンで葉っぱのラインを刺していきます。この色も、ナチュラルで気持ちの良い色味です。
続いてお花のラインを2列。
この図案は、葉っぱのラインと、花の上部と、花の下部。この3列でワンセットになっています。右から左へ横に刺していくだけで、とてもシンプル。
これを9セット刺せば、出来上がるわけですね。
実は、ちょっと単調だな、なんて最初は思ってしまいました。飽きちゃうんじゃないかと。一目刺しのように、次の場面でサーっと景色が変わるわけではないし…ね。
シンプルで難しくはないんですが、とにかく曲線ばかりだし、あっちこっち向きが変わって、一度に何針も刺せないので、意外に時間もかかります。(曲線なので針は短めを使用しました)
それでも、刺し子タイムを十分楽しめたのは、ひとえに糸色のおかげだと言えるでしょう。こういう単調な(何度も失礼)図案のときこそ、グラデーションで色が変化していく糸が、気持ちを盛り上げてくれるのだと思いました。
来た来た。ああ、やっぱりこの色、可愛いなあ。
ちょうどこの辺りで、引き締める濃い色に来てほしかったの!
なんてね。ぼかし糸ならではの面白さが、単調さをカバーしてくれます。
そんなわけで、9セットを刺し終えるまでニコニコしていられたのでした。
■それぞれの色味で咲く花たち
最後は、枠線に糸をくぐらせて枠飾り。これもぼかしブルーで。
枠飾りは、花ふきんの仕上がりをちょっと底上げしてくれて、大好きです。ただ、引っ張りすぎても緩めすぎてもいけなくて。簡単そうでいて結構気を遣う作業なんですよね。
枠飾りが終わったら、いつものように表布と裏布を合わせて仕付けし、コの字とじをして、水通し。半乾きでアイロンをかければ、完成です。
グラデの糸のおかげで、一つひとつ、違う色味のお花が並びました。太めの糸でぷっくりしていて、なんだかみんな可愛いんですよね♪
ブルーとグリーン、ところどころイエローの、初夏らしい爽やかな1枚になったかな、と。やっぱり、この季節に刺せて嬉しいです♡
菖蒲の花ふきん。見れば見るほど、なかなかの可愛らしさではないかと思うのですが、いかがでしょう?
我が家には今はコドモはいませんが、こどもの日にちなんでしばらく目につくところに置いておこうかな、と思っています。
男の子のいるご家庭だったら、タペストリー的に壁に掛けたり、お飾りの下の敷物にしてみたり、人形ケースの埃除けに掛けてみたり。そんな楽しみ方もできそうですね。
男の子も女の子も、そして大人たちも、楽しいこどもの日を過ごせますように♡