色あわせ、糸あそび。

Sashiko brings a smile.

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リネンに刺し子で小物づくり

 

ひと際暑かった今年の夏。
まだ残暑は続きそうですが、8月ももう終わりかと思うと、朝晩に秋の気配が感じられます。

この夏、刺し子の小物をいろいろ作っていました。酷暑でおうち時間が長かったおかげ、かもしれません。

写真を撮っておいたものだけでも、ここに記録しておこうと思います(*^^*)

 

 

刺し子の画像_小物1

刺し子で小物づくり

 

■刺し子デコのバッグハンガー

それは5月の旅行に間に合わせたかった時期だから、つまりまだ夏と言うには早い頃。私はダイソーさんで見つけた110円の白いバッグハンガーに、刺し子をしたくるみボタンをのっけてみよう!と思ったのでした。

去年、くるみボタンでニードルレストを作ったときから、なんだかこの直径38mmのくるみボタンが可愛くて仕方ないのです。それで、円形の大きさがピッタリだったバッグハンガーを見つけてしまったのですから、これはもう、止められません。笑

生成りのリネンに、ブルーの刺し子糸で十字花刺しアレンジをあしらい、ダイソーのくるみボタンキットでボタンを作り(脚はペンチでカット)、接着剤で貼っただけのもの。リネンの下にキルト綿を敷いて、少しふっくらさせてみました。

バッグハンガーを使うのは初めて。新幹線のミニテーブルにもバッグが掛けられて、膝にも背中にも置かずにすみ、助かりました。ただし、ミニテーブルに負担がかかるので、重いバッグはNGですね。

 

刺し子の画像_小物2

旅のお供のバッグハンガー。右側は材料

 

✻ニードルレストを作ったときの記事です↓

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■バッグハンガーをアップグレード!

カフェやレストランなどで、たまにバッグの置き場所に困るときがあります。空いている椅子が隣にあったり、荷物を置くカゴが用意されていたりすれば良いのですが、そうでない場合、私は椅子の背にかけたり、自分の背後に置いたりしていました。ちょっと邪魔だし落ち着かないんですよね。

今回旅行に持って行ったバッグハンガーは、新幹線以外の場所でも活躍してくれました。バッグにひとつこれを入れておけば、こんなに安心なんだ・・・と、実感した私です。

ダイソーのバッグハンガーも良かったのですが、フック部分が折り畳めず、携帯するのに少し不便に感じていました。それで、使用時以外はフック部分を折り畳める仕様のバッグハンガーを探したのです。

美しく耐久性のある亜鉛合金で作られた、希望にピッタリのものをネットで見つけ、ふと、娘たちにも作ってあげようと思い立ち、複数購入。まずは試作品を作り、その後で贈り物用も作りました。

亀甲花刺し、三色小花刺し、花格子・・・

白いリネンの美しいこと、刺し子糸の色の可愛らいこと!
数を重ねると、接着のコツもつかめ、綺麗に可愛く仕上げられるようになってきます。嬉しくてニコニコしながら作っていました。

 

刺し子の画像_小物3

右ふたつが試作品。刺し子してない方は、現在愛用中♪



刺し子の画像_小物4

娘たちへのギフト。右側は友人に

 

■刺し子のファブリックパネルにトライ

猛暑の日が続くようになると、もともと夏が苦手な私はもう、息も絶え絶え。涼を求めて、YouTubeで森と小鳥の映像を毎日のように眺めていました。

絵も、よく描いていました。木とか葉っぱとか小鳥とか。落書きです。思いきり単純化し、デフォルメしていました。そしてふと、これを刺し子で表現してみようかな、という気になったのです。

生成りのリネンにOOE花糸を使って、一目刺しを数種類。フランス刺しゅうのステッチも加えて、ふたつの作品ができました。

 

刺し子の画像_小物5

森に還る小鳥

刺し子の画像_小物6

木なの?葉っぱなの?

 

それを、15cm四方の木製パネルに貼り、棚に立て掛けたり、壁掛けにもなるファブリックパネルに仕立ててみました。ふたつ並べて壁に掛けると、なかなかの可愛さ♪

この夏の暑さも忘れるような、達成感を覚えた出来事でした。笑

刺し子の画像_小物7

ふたつ並びって、可愛いですよね♡



このファブリックパネルづくりのことは、もうひとつのブログで書いています。
よろしかったらご覧くださいね(*^^*)

 

tsukikana.hatenablog.com

 

■小さな作品をつくる大きな魅力

刺し子を施した小さな作品は、花ふきんよりもずっと早く仕上がります。ここのところ一目刺しの面白さにハマっている私にとって、小物たちは試してみたい模様に次々トライできる、素敵な存在です。

この色の布にこの色の糸を合わせたら、どんな感じになる?
そんな実験も、気軽にできます。

特に、38mmのくるみボタンは、丸い形、程よい大きさ、優しいふくらみがとにかく可愛くて、すっかりお気に入りになっています。

あれは、梅雨どきだったでしょうか。
ホワイト✕オフホワイトを試してみたくて。それから、刺し子糸以外の糸も使ってみたくて。実験するかのように、白いリネンでくるみボタンを作ったのでした。

 

刺し子の画像_小物8

刺し子の白いくるみボタン

 

上はソワエというシルクの刺しゅう糸(色番520/グラデ)、下は前述のOOE花糸(色番2)です。

ソワエの方はシャンパンゴールドって感じで、花糸の方はミルクのような印象?
なるほど、こういう感じになるのねと、納得しました♬

額装しても、なかなかイケるかも?とも思ったのですが・・・
結局、後日、花糸の方はまたまたバッグハンガーに仕立ててしまいました!

 

刺し子の画像_小物9

刺し子の白いバッグハンガー

 

そして、これを収納できる、お揃いのちっちゃな丸い巾着袋も作って・・・

 

刺し子の画像_小物10

刺し子のバッグハンガーと豆巾着のセット

 

私はいくつ、バッグハンガーを作る気なの?笑
というわけで、こちら、minneに作品登録させてもらいました。そう、ひっそりハンドメイドマーケットでショップを開設しておりましたことを、ここに告白します。まだまだ作品数が少なく、お恥ずかしいのですけど・・・

 

✻minneのつきかなのショップ↓

minne.com

 

よろしかったら、覗いてみてくださいね🌼
前述のファブリックパネルも置いています。


今は、リネンに刺し子や刺しゅうをすることが、楽しくて仕方ない、という感じの私です。でも、花ふきんもまだまだ作っていきたいのです。ああ、ときが足りない!

スローペースのくせに、欲張りで困ったものですねぇ😅

 

 

刺し子の画像_小物11

一目刺しが楽しいリネンの小物




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雫の花ふきん

 

私が初めて刺し子に心惹かれたのは、Instagramで見た画像でした。それまで抱いていた刺し子のイメージががらりと変わり、こんなに可愛いものなのかと、軽く衝撃を受けたのを思い出します。

その後「ちょっとお試し」のつもりで始めた刺し子。ところが、「あの文様も刺してみたい」「この色の糸も使ってみたい」と際限がなくなり、今に至ります。笑

ただ、ずっと刺し子用の晒布は「白」でした。それは、刺し子のいかにも「和」なイメージを変えてくれた、あのインスタの作品が私の原点で、それは白い晒布だからこそ形にできるイメージだったからです。

でも、藍色の刺し子木綿を使った素敵な作品を、その後たくさん目にしてきて、少し気持ちが変わりました。渋い「和」の印象の濃い藍色だけど、選ぶ糸次第でドリーミーでポップな花ふきんにもなりそう・・・。

そんなことを考えていた頃、手芸店で藍色の刺し子木綿(水で消える図案プリント済)を購入。もう半年以上引き出しの中にしまってあったのですが、やっと取り出し、刺してみました。

今回の作品は、オリムパスさんの「雫」H-2069です。

 

 

刺し子の画像_雫の花ふきん1

 

■綺麗な淡い色の糸に合わせて

「刺し子ノート」を見返してみると、この刺し子布を入手したのは去年の11月でした。「花分銅」が完成した後、次は刺し子をあしらった小物づくりをしようかな、と思っていた時期です。

 

✻花分銅↓

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花分銅で使った糸が、可愛らしくて大好きでした。「絲-ito-」さんのまだら染め糸と段染め糸です。

特にピンク系のまだら染め糸には、実に多彩な色が入っていて、上品でありながらとてもカラフル。ただ、ほとんど白かな?と思うほど、淡い色の部分があって、そこは写真の撮り方によっては、刺していないように見えたりもするのでした。

この綺麗で可愛らしい糸、黒っぽい色の布に刺したら、淡い色がもっと美しく浮き上がるかも・・・?
そんなことを考えながら刺していたのを覚えています。

さて、実際はどうなるでしょう?
期待を胸に、布を広げます。

 

刺し子の画像_雫の花ふきん2

初めての藍色の刺し子布

 

■藍色の布ならではの悩み

仕立てをどうしようか迷いましたが、前回の「花籠目」のときと同じようにすることにしました。

 

✻花籠目↓

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外枠線から1.5cmで外表に折り、「わ」はそのままに。両側の「ミミ」もそのまま。残りの1辺は、外枠線から1.5cmのところで線を引き、縫い代の幅を揃えて切り、表布裏布ともに、内側に折り込みます。

このとき、線を引くのに苦労しました。水で消えるチャコペンも、熱で消えるフリクションペンも、私の手持ちのペンの色では、この濃い藍色の布に書いても見えないのです。裁縫箱の中から、古いチャコペンシルを取り出して、ようやく見える線が引けました。

その後、内側に折り込んだ部分を、表布裏布それぞれに仕付けをし、枠線のすぐ内側にも仕付け。それからまだら染め糸で枠線を刺していきます。糸端は、後で使うので残しておきます。

 

刺し子の画像_雫の花ふきん3

仕付け糸で仕付けし、枠線から刺していく

 

枠線の後は、内側を刺します。同じくまだら染め糸で。
シンプルな図案です。まっすぐな破線が平衡に伸びているだけ。雨が降っているようにも見えますね♪

この「まっすぐ」というのが、実はとっても難しいと、今回はつくづく思いました。印刷線があっても、なかなかその通りに刺せない。布の織り糸半分滑って刺しただけで、まっすぐにならないのです。そして、藍色に白い印刷線って、ちょっと見づらい。狙いがつけにくく、目がしょぼしょぼしてくるんですよね。涙

 

刺し子の画像_雫の花ふきん4

糸処理は、枠外で固結びする方法で。

 

ラインが奇数だったので、最後の1本は、残しておいた枠線の糸と枠外で一緒に結びました。反対側の端は、枠線に3目重ね縫いし、糸端は「わ」の近くの布間におさまるようにしてカットします。

 

刺し子の画像_雫の花ふきん5

最後の1本の糸処理

 

直線刺しができました。本当にシンプル!
雨に色が付いたようで、綺麗です。

 

刺し子の画像_雫の花ふきん6

カラフルな雨が降っているよう

 

刺し始めたときは、この糸、全部「白」に見えちゃうんじゃ?と心配しましたが、だんだん色の変化が浮き出て見えるようになり、ほっとしました。

ただ、この藍色は、細かい白っぽいものが付くと、すごく目立ちますね!
糸埃とか、糸の毛羽立ちなどが、よく見えてしまうのだと知りました。コーマ糸など毛羽立ちしにくい糸の方が、きっと向いているのでしょうね。


■くぐり刺しで浮かび上がる大小のダイヤ

次は、いよいよくぐり刺しです。同封されていた説明書を参考にくぐらせていきますが、私は枠外で糸処理をしたいので、布の間から針を入れ、戻って来た糸と固結びをします。糸の長さは、行って帰って(結ぶ長さ込み)で約90cmでした。

 

刺し子の画像_雫の花ふきん7

くぐり刺し。布の間から針を入れる

 

刺し子の画像_雫の花ふきん8

針のお尻を使ってくぐり、枠外の布間で結ぶ

 

大小のダイヤが並んでいきます。ああ、こんなに素敵な図案だったんだな、と感激✨

直線刺しだけのときよりも、糸の色の主張が強いですね。

糸色は、最初、全て同じまだら染めピンク系の糸で、と思っていたのですが、くぐらせているうちに気が変わりました。

3分割して、真ん中は段染め糸を使うことに。これも「絲-ito-」さんで購入したものです。グリーン系、と思っていましたが、淡いレモン色、淡い黄緑色、淡いグレー、ミルクティー色、のグラデーションですね。

 

刺し子の画像_雫の花ふきん9

糸色を変えることに

 

くぐり刺しは、楽しいです。糸の引き具合には気を使いますが、すいすいと進んでいくのが面白い!

糸が全部表に出ているのですものね。グラデの様子を楽しみながら作業できるので、まだら染めや段染めを十分堪能できます。

実は、この布を選んだ理由には、藍色ということの他にくぐり刺しの図案だった、ということもありました。しばらくやっていないと、無性にくぐり刺しがしたくなるのです。

同じように、曲線の模様刺しの後には、直線の図案が刺したくなるし、寒色系の糸で刺した後は暖色系が恋しくなる。大きな針目の次は細かい針目にしたくなったりと、いろいろな「反動」?があるんですよね。

そんな気分のどれもに応えてくれることの可能な「刺し子」って、本当に懐が深いなあと思います(*^^*)

 

■好きな糸の、違う表情を見る♪

くぐり刺しが終わり、枠飾りをしました。そして、その枠の外側に、もうひとつ枠を刺そうと決めました。1cm外側にチャコペンで線を引き、並縫いしていきます。

 

刺し子の画像_雫の花ふきん10

くぐり刺し後、枠飾り

 

刺し子の画像_雫の花ふきん11

外枠を2重に

 

ふたつ目の外枠にも、枠飾りをしました。その糸処理は、糸同士を固結びしてから、針を使って糸端を1本づつ、内側の布の間におさめるというもの。裏布の1cmほど先に出した糸を少し引っ張りぎみにして、布の際でカットすればOK。

 

刺し子の画像_雫の花ふきん12

最後の糸処理

 

後は、いつものように水通し。30分以上水に浸してから、軽くもみ洗いします。陰干しで半乾きになったらアイロンを裏からかけて、完成です♪

 

刺し子の画像_雫の花ふきん13

雫、完成です

 

刺し子の画像_雫の花ふきん14

裏はこんな感じ

 

濃い藍色に、淡い優しい色のグラデが載ると、やっぱり綺麗だと思います。2種のグラデを使ったことも、ゆるやかな変化にリズムを感じて、私的には正解だったかな。

夜の街に降る雨。ネオンサインを映し込んで輝く雨粒、のようにも感じます。この雨粒が「雫」というデザイン名の由来なのでしょうね。

好きな糸の、違う表情を見ることができて、とても楽しい時間を過ごせました♡

 

 

刺し子の画像_雫の花ふきん15

くぐり刺しが楽しかった雫



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花籠目の花ふきん

 

花ふきんを作るときは、私はこれまで、主にホビーラホビーレさんの図案入り晒布を使い(たくさん買ってしまったので・笑)、自分で「これ」と決めた“やり方”で仕立ててきました。

でもふと、違う“やり方”を経験してみても良いのでは?という気持ちになったのです。

美しい糸色に惹かれて購入した、ある「刺し子キット」。サイトで案内されていた刺し方動画を見てみると…。
それは私にとって初めての方法で、ちょっと楽しそう。動画を参考に刺してみたくなりました。

今回の作品は、さしこのさなのんさんの「花籠目」です。

 

 

 

刺し子の画像_花籠目の花ふきん1

花籠目

 

 

■初めての「刺し子キット」

刺し子に興味を持ってから、Instagramでいろいろな方の作品を拝見するようになりました。そこで知った新しい文様、糸色の組み合わせに、どれほど刺激をいただいたかわかりません。

皆さんのセンスや工夫、技術に憧れ、見せていただけること、教えていただけることに感謝する、そんな日々が今も続いています。

それにしても、刺し子って奥が深い。

糸の準備や晒布の仕立て方、糸処理、そして刺し順などにもいろいろなやり方があり、どれが正解とも言えない。それが刺し子なんだなあと、何度も迷い困惑しつつ、ますます魅了されている昨今です。

「さしこのさなのん」さんも、インスタで知りました。Webストアも開いておられます。手染め糸の綺麗な色で彩られた可愛らしいデザイン、「花籠目」の花ふきんの画像を見て、思わず注文した私でした。

 

✻さしこのさなのん

sashikonosananon.stores.jp

 

届いたキットには、2色の太糸と、水で消える図案印刷済みの晒布、初心者でも始められる丁寧な説明書が。一目惚れした美しい糸が、たっぷりの量で入っていて、それが特に嬉しかったです♡

 

刺し子の画像_花籠目の花ふきん2

キットの内容

 

■初めての“やり方”

付属の説明書だけでも十分だとは思ったのですが、刺し方動画もありちょっと楽しそうなので、せっかくだからそちらを見ながら刺していこうと思いました。説明書とは若干やり方が違う箇所もありました。

 

✻刺し子ふきんキット花籠目の刺し方

www.youtube.com

 

糸は、私はいつも玉巻きにしていましたが、今回は動画と同じように、“かせ”の1か所を切り、1本ずつ抜き取って使うことにしました。せっかくだから、全て従ってみようと思ったのです。

 

刺し子の画像_花籠目の花ふきん3

糸を切って準備

 

晒布はあらかじめ半分に折られています。その折られたところ(「わ」と言いますね)はそのままに、切りっぱなしの布端は、図案から3センチ外側に線を引き、そこで内側に折ります。

 

刺し子の画像_花籠目の花ふきん4

表布を折ったら、それに合わせて裏布も内側に折る

 

その後、仕付け糸で仕付けするのではなく、動画で「簡単です」とお勧めされていたマスキングテープを使って2枚の布を合わせました。なるほど、手軽です!

そして、外枠。印刷済み図案で、破線でなく実線を並縫いしていくのは初めてでした。

玉結びは作らず、1周してきたときに重ね縫いする方法。刺したい場所の3目前から刺し始めるのですが、なんと、裏からではなく表から刺していきます。糸端が表に飛び出したまま刺していくのも、初めて!

 

刺し子の画像_花籠目の花ふきん5

周囲をマステでとめて、外枠から刺し始める

 

刺し子の画像_花籠目の花ふきん6

糸を替えるときも3目重ね縫いする

 

外枠はブルーで刺し、まだ糸が長く残っていたので、そのまま図案の「籠」パートを刺し始めます。

 

刺し子の画像_花籠目の花ふきん7

外枠の後、内側を刺し始める

 

こちらの図案、目がとても大きいのです。直線ということもありストロークが長いので、たまらず一番長い刺し子針に替えました。ずんずん進めて気持ちいい!

 

刺し子の画像_花籠目の花ふきん8

一目が8ミリ前後ある

 

糸がなくなってきたら、外枠に3目重ねて終了。このとき糸端は3センチほど残しておきます。そして次は、刺したい場所の3目先から逆向きに刺し始め、ターンするように重ね縫いして進めていく。

一目が大きい図案なので、この「重ね縫い」で仕上げた後、糸が抜けてきてしまわないのか心配になるのですが。とにかく、従うことにします。後で水通ししてアイロンをかけてから糸端をカットすれば、大丈夫なようなので。

実は、私はまだ自分が作った花ふきんを、ふきんとして使ったことがなくて。人にプレゼントしたものは数枚あるけど、自分ではまだなのです。なので、洗い続けると糸端がどうなるか、実際のところを知らないのですね。

「使ってなんぼ」のふきんなのでしょうが、苦労して仕上げた花ふきんを道具として働かせることが、未熟者の私にはまだできないのです。もちろん、差し上げたふきんはどう使っていただこうと構わないのですが。

そのうち、かごカバーにでもしようとは思っています。でも今はまだ、私の花ふきんたちはときどき眺めたり確かめたりするだけの箱入り娘状態です。笑


■一筆書きの面白さ

さて、内側の図案を刺す話に戻りましょう。
段を変えるときは、布と布の間を渡し、「籠」パートの三方向を一筆書きのように刺していきます。この「一筆書き」という言葉が、動画の中で何度か使われていました。

最初は何の気なしに聞いていたのですが、刺していて「あれ?」と思ったのです。

糸の長さがちょうど合っていたのもあるのでしょうが、一筆書き的に糸を進めていくと、糸端の位置が隣と並ぶことに気づいたのです。つまり、段違いの同じ位置で始まり同じ位置で終わる。これは、六角形という図形による、一種の法則なのでしょうか。

もしかしたら、始点が最適な場所なら、本当に最初から最後まで1本の線で結べるのかもしれない?数学脳のある方に教えていただきたい!笑

 

刺し子の画像_花籠目の花ふきん9

一筆書きのように進めていく

 

刺し子の画像_花籠目の花ふきん10

パターンが決まってる?右側は裏面

 

刺し子の画像_花籠目の花ふきん11

「籠」パート終了。右側は裏面

 

その後、「花」パートをグリーンで刺していきます。こちらは、刺し始めも刺し終わりも3目返し縫いで糸処理します。

 

刺し子の画像_花籠目の花ふきん12

「花」パート。刺し始めと刺し終わりの糸処理

 

やはり、同じパターンが続くのですよね…。全てではないのですが。

 

刺し子の画像_花籠目の花ふきん13

枠の中、終了。右側は裏面

 

■でも、すべては従えなかった

刺し終わったら、水通しです。30分以上は水につけておき、優しくもみ洗いをして印刷線を消します。

私はいつも、全部終わった最後に水通しをしていましたが、今回は、枠飾りもコの字とじもしないうちに、この工程を踏みました。そして、半乾きでアイロンをかけます。

 

刺し子の画像_花籠目の花ふきん14

水通し。そしてアイロン

 

その後、飛び出してる糸を引っ張るようにして、際でカット。こうすることで、ふきんを使っているうちに糸は完全に布と布の間にもぐっていくのでしょう。なるほど、それならば、糸端が飛び出しているのは表でも裏でも、どちらでもOKなわけです。笑

 

刺し子の画像_花籠目の花ふきん15

糸を引っ張りながら、際でカット

 

面白いなあ。面白いなあ。

私は何度、そうつぶやいたでしょう。いろいろなやり方を試してみるのも、楽しいですね♪

けれども、今回、何もかも従うわけにはいきませんでした。う~ん、やはり、「我」が出てしまいますね。

まずは、マステ。
隅の方が剥がれてきて、手にベタベタくっつきやりにくかったので、外枠を刺し終わった時点で取ってしまいました。私には、仕付け糸の方が向いているようです。笑

そして、仕上げ。
糸処理の後、端をコの字とじにして完成、と動画では教えてくれていたのですが、余白の広さが気になってしまい、外側にもうひとつ、枠を刺すことにしました。これはグリーンで。

その前に、ブルーの枠に、同じ色で枠飾りもすることに。グリーンの枠は、枠飾りなし、とします。

 

刺し子の画像_花籠目の花ふきん16

外枠の外に線を引き、もうひとつ枠を刺す

 

布端の処理をどうするか迷ったのですが・・・。
2辺は布の「ミミ」でほつれる心配なし。あとは「わ」だから、これも大丈夫。切りっぱなしだった布の端も、外枠を刺したとき、折り込んだ縫い代も一緒に縫ったため、こちらもほつれる心配はないはず。ということで、コの字とじもすることなく、今回はこれで完成形としました!

 

刺し子の画像_花籠目の花ふきん17

花籠目、完成です。右側は裏面

 

裏面を見ると、グリーンの糸が長く出ている(約1.3センチ)のが、ちょっと気になります。本当にふきんとして使用したら、この糸が引っ掛かってしまわないか、ちょっと心配。グリーン(「花」パート)を先に刺してから、ブルー(「籠」パート)を刺せば、この裏のグリーンの長い糸を、ブルーで抑えることができましたね。

外枠を2重にしたのは、我ながら良い判断だったと思います。余白がちょっとキリリとしたし、可愛くもなったかな?と。そして、思ったより、並縫いの目が揃っていたようで、それも嬉しかったのです(*^^*)

 

刺し子の画像_花籠目の花ふきん18

広い余白だし外枠は2重に

 

綺麗めなくすみカラーのこの2色が、とにかく好き。ブルー&グリーンは、梅雨時に爽やかな気分を与えてくれますね。デザインも可愛いし、さくさく進めるし、本当に楽しい刺し子タイムでした♡

晒布も、適度なハリと柔らかさで縫いやすく、とても良かったです。

 

刺し子の画像_花籠目の花ふきん19

糸も布も、大満足

 

今回、初めてづくしでちょっと不安にもなりましたが、刺し方そのものはとてもシンプルで、難しさはありませんでした。いろいろ学びも多く、面白い体験ができました。

いつものやり方をちょっと変えてみる。
そんな小さな冒険を、今後もしていけたらいいな、と思っています♪

 

 

刺し子の画像_花籠目の花ふきん20

素敵な糸に心和んだ花籠目

 

 

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一目麻の葉の小さなあしらい(マイバッグに外ポケット)

 

手持ちの、布ものの既製品。無地でシンプルだったりすると、ちょっと何か手を加えたくなりませんか?

私は昔からそうなんです。例えば真っ白なスウェット。胸ポケットあたりにささやかな装飾がほしくて、ポケットを植木鉢に見立て、その上の方に小さく草花を刺しゅうしてみたり。シンプルなトートバッグに刺しゅうのブローチを付けてみたり、といった具合。

やめた方がいい?やらない方がお洒落?なんて心配しながらも、つい、なんかちっちゃくデコってしまう。笑

今回は、無印良品の綿のマイバッグに、一目麻の葉のポケットを付けてみました。

 

 

 

刺し子の画像_一目麻の葉のあしらい1

一目麻の葉




■ポケット作ってくっつけちゃえ!

刺し子に目覚める前は、スケッチ画みたいな刺しゅうが好きでした。ブローチにするような、小さなモチーフを刺すのも好きでした。

夢中になっていた頃は、何かに刺しゅうしたくてしたくて、身の回りにある布ものを見渡したり、カットクロスを買ってきて刺しゅうし、四隅を縫ってバスケットのカバーを作ったりと、そんな毎日でした。

そしてそれは、刺し子をするようになっても変わらないんですよね。無地の布を見るとむずむずして。ここに刺し子したら可愛いんじゃないかな?なんてね(*^^*)


無印良品の生成りのマイバッグを買って、買い物した品物を入れて帰った日。その何の変哲もない布バッグを改めて眺め、ここにボタニカル画っぽい刺しゅうしたいなあ、と思ったのは、去年の暮れくらいだったでしょうか。洗濯してアイロンをかけて、いつでも刺しゅうに取り掛かれるようにしておきました。

でも、それっきりでした。慌しい日々。隙間時間ができても、気持ちは刺し子関連の方に向かってしまっていたのですね。それと、縫製済みのバッグに刺しゅうするのが大変そうに思えたことも、後回しにしていた大きな理由でした。


あ。そうか!
ポケット作って、まつり付けたらいいんじゃない?

そう思いついたら、早かったですね~。笑
すぐに四角い型紙を作って。麻布にフリクションペンで方眼線を引いて・・・。

そう、ポケット、と思った時点で、ボタニカル刺しゅうは頭から抜け落ち、一度挑戦してみたかった「一目麻の葉」を刺すことに決めた私でした。

 

刺し子の画像_一目麻の葉のあしらい2

方眼線の工作用紙で型紙を作り、布に線を引く

 

刺し子の画像_一目麻の葉のあしらい3

縫い代を付けて布をカットし、端にほつれ止め液を塗る

 

小さいサイズの方眼線を引くのも、だいぶ慣れてきました。このサイズでならいろいろな一目刺しを自作できそうだなあと、線を引くとむしろワクワクしてきます。笑


■工程の多い一目麻の葉

麻の葉は以前、ホビーラホビーレさんの印刷済み布で作った花ふきんで経験していますが、一目麻の葉というのは初めてです。

 

✻麻の葉を刺したときの記事はこちら↓

tsukikana2.hatenablog.com

 

横。縦。縦っぽい斜め2方向。横っぽい斜め2方向。
一目麻の葉って、直線を刺すだけで単純なんですが、全部で6方向刺すという工程の多い文様なんですね。

 

刺し子の画像_一目麻の葉のあしらい4

横、縦、斜め・・・まだ先は長い

 

自分の引いた5ミリ方眼線だけがよりどころなので、花の中心を目分量であけるときなど、ちょっと心もとない気持ちになります。これもきっと、慣れ、なのでしょうね。上手になりたい!

 

刺し子の画像_一目麻の葉のあしらい5

糸の集まる花の中央部分は「あき」の加減が難しい



刺し子の画像_一目麻の葉のあしらい6

最後のライン。あと少し!

 

刺していて思ったのですが、縦っぽい斜め2方向は表に出る糸が長く、どうしても緩みがちになります。これは多分、最後に刺した方が良かったのでしょう。次はそうします。

ともあれ、出来上がれば嬉しいものです♪
可愛いらしい文様ですよね🌼

 

刺し子の画像_一目麻の葉のあしらい7

刺し終わり。右側は裏側

 

■外ポケットなら簡単!可愛くなるし便利だし♡

刺し終わったら、縫い代を折り込みアイロンをかけます。このとき、フリクションペンの下書きも熱で消えますね。

その後、ポケットサイズより四方それぞれ5ミリほど小さくカットした接着芯を、アイロンで貼り付けます。これで、ポケットに何かを入れたときの糸のひっかけを防げるし、布端のほつれ防止にもなります。

 

刺し子の画像_一目麻の葉のあしらい8

縫い代を折り込んで接着芯をアイロンで貼り付ける

 

刺し子の画像_一目麻の葉のあしらい9

ポケットの完成。これをバッグに縫い付ける

 

あとは、ポケットを好きな位置に縫い付けるだけ。簡単です。私は右下にまつり縫いしました。

 

刺し子の画像_一目麻の葉のあしらい10

ポケットの三方をまつり縫い

 

 

今回使用した糸は、染色アトリエKazuさんの段染め糸。ピンク、薄紫、淡いグレーのグラデーションが綺麗で、刺していて気持ちが華やぎました。太さは20/3。細めの糸ですね。一目麻の葉の繊細な文様には、多分、細い糸が合うと思います。


さて、これまでしまいこんで使っていなかった、このマイバッグ。薄めの生地で折りたたみやすい形だし、これからはもっと愛用したいです♪

ポケットを付けたことで、お店でショップカードをもらった時など、パパッと入れられて便利かも。可愛くなったし、これを持って出掛けるのが、なんとなく楽しみになりました。

 

刺し子の画像_一目麻の葉のあしらい11

ポケットに何が入るかな?

 

それにしても、無印良品の布製のマイバッグは、本当に刺しゅうや刺し子がしやすそうな生地です。今回はポケットを付けてしまいましたが、いつかはバッグに直接、刺し子をしてみたいと思います。いや、今度こそボタニカル刺しゅうかな?笑

ネットで「バッグの下の方を刺しゅうするときは、上部をくるくる丸めてクリップで止めておくと良い」とか「クリアファイルをバッグに入れておくと刺しやすい」という情報を得ました。試してみなくては!

このバッグ、すごくお安かったと記憶してますし、サイズもいくつかあったような。MUJIに行ったら、また買ってきましょう。良い素材を見つけました。笑

ああ・・・でも。ポケットもまた付けたいかも。便利そうだし。
「次」を考えるのって、楽しいですね(*^^*)

 

刺し子の画像_一目麻の葉のあしらい12

細い糸が似合う一目麻の葉




菖蒲の花ふきん

 

風薫る5月。
私の最も愛する季節がやってきました。草木が輝き、花々が咲き誇り、風に乗って本当に芳しい香りが漂ってきて、とても幸せな気分になります。

夏支度をする時期でもあり、梅雨入り前にやっておきたいこともたくさんあって気忙しさも感じるのですが、五月晴れの日などはどうしても外に飛び出したくなってしまう。素敵な季節を楽しまなくてはもったいないですからね♡

今、ゴールデンウィークの真っ只中。もうすぐ端午のお節句です。

この5月5日までに仕上げられるかなあ、出来たらいいなあ、と、途切れ途切れながらも刺してきた花ふきんがありました。なんとか昨日、完成したのでここに記録しておきます。

今回の作品は、ホビーラホビーレさんの「菖蒲」607です。

 

 

 

刺し子の画像_菖蒲の花ふきん1

菖蒲




■爽やかさを感じられる色味で

この図案付き刺し子布を入手したのはいつのことだったか、全然思い出せないのです。多分、店頭で見かけて「これなら初心者の私でも難しくなさそう」と、他の何枚かの布と一緒に購入したのだと思います。

菖蒲のお花は6月頃に咲きますが、端午の節句の「菖蒲湯」のイメージがあり、是非ともその頃に合わせて刺してみたいと思っていました。今年、ようやくタイミングが合った、という感じです。

ちょっと後回しにしてきた後ろめたさから、「お待たせ。どんな色で刺してほしい?」と布に相談したりして。笑

葉っぱと思われるラインはリーフグリーン(130)、花の上部のラインはぼかしブルー(201)、下部のラインはぼかしミックス5(209)にしました。全てホビホビさんの糸です。

うーん、ベタかな?なんとなく、今回は素直に「自然の色」に近いトーンにしたくなったんですよね。

菖蒲の花は、青みの強い紫色に黄の差し色が入るイメージ。それで、黄色も入っているぼかしミックス5を主役に選びました。この糸、可愛いグリーンや水色も出てきて、大好きなんです。

新緑の季節にすっきりした爽やかさが際立ち、しかも可愛い。そんな配色を目指しました。
糸色選びも、楽しい時間です(*^^*)


■ぼかし糸の面白さ

いつものように、まずは枠線から刺していきます。全体をちょっと引き締める感じで、濃い藍色の入ったぼかしブルーを使いました。

 

刺し子の画像_菖蒲の花ふきん2

枠線はぼかしブルーで



次に、リーフグリーンで葉っぱのラインを刺していきます。この色も、ナチュラルで気持ちの良い色味です。

 

刺し子の画像_菖蒲の花ふきん3

葉っぱのラインを刺す

 

続いてお花のラインを2列。

 

刺し子の画像_菖蒲の花ふきん4

花の下部と上部をそれぞれ刺し進める

 

この図案は、葉っぱのラインと、花の上部と、花の下部。この3列でワンセットになっています。右から左へ横に刺していくだけで、とてもシンプル。

 

刺し子の画像_菖蒲の花ふきん5

3列でワンセット。右側は裏面

 

これを9セット刺せば、出来上がるわけですね。
実は、ちょっと単調だな、なんて最初は思ってしまいました。飽きちゃうんじゃないかと。一目刺しのように、次の場面でサーっと景色が変わるわけではないし…ね。

シンプルで難しくはないんですが、とにかく曲線ばかりだし、あっちこっち向きが変わって、一度に何針も刺せないので、意外に時間もかかります。(曲線なので針は短めを使用しました)

 

刺し子の画像_菖蒲の花ふきん6

すぐに方向転換しなくてはならない

 

それでも、刺し子タイムを十分楽しめたのは、ひとえに糸色のおかげだと言えるでしょう。こういう単調な(何度も失礼)図案のときこそ、グラデーションで色が変化していく糸が、気持ちを盛り上げてくれるのだと思いました。

来た来た。ああ、やっぱりこの色、可愛いなあ。
ちょうどこの辺りで、引き締める濃い色に来てほしかったの!

なんてね。ぼかし糸ならではの面白さが、単調さをカバーしてくれます。
そんなわけで、9セットを刺し終えるまでニコニコしていられたのでした。


■それぞれの色味で咲く花たち

最後は、枠線に糸をくぐらせて枠飾り。これもぼかしブルーで。

枠飾りは、花ふきんの仕上がりをちょっと底上げしてくれて、大好きです。ただ、引っ張りすぎても緩めすぎてもいけなくて。簡単そうでいて結構気を遣う作業なんですよね。

 

刺し子の画像_菖蒲の花ふきん7

針のお尻を使って枠飾り。右側はコの字とじ

 

枠飾りが終わったら、いつものように表布と裏布を合わせて仕付けし、コの字とじをして、水通し。半乾きでアイロンをかければ、完成です。

 

刺し子の画像_菖蒲の花ふきん8

菖蒲、完成です

 

グラデの糸のおかげで、一つひとつ、違う色味のお花が並びました。太めの糸でぷっくりしていて、なんだかみんな可愛いんですよね♪

 

刺し子の画像_菖蒲の花ふきん9

菖蒲の花たち。右側は裏面

 

刺し子の画像_菖蒲の花ふきん10

糸色が可愛いからアップで

 

ブルーとグリーン、ところどころイエローの、初夏らしい爽やかな1枚になったかな、と。やっぱり、この季節に刺せて嬉しいです♡

菖蒲の花ふきん。見れば見るほど、なかなかの可愛らしさではないかと思うのですが、いかがでしょう?
我が家には今はコドモはいませんが、こどもの日にちなんでしばらく目につくところに置いておこうかな、と思っています。

男の子のいるご家庭だったら、タペストリー的に壁に掛けたり、お飾りの下の敷物にしてみたり、人形ケースの埃除けに掛けてみたり。そんな楽しみ方もできそうですね。

男の子も女の子も、そして大人たちも、楽しいこどもの日を過ごせますように♡

 

 

 

刺し子の画像_菖蒲の花ふきん11

季節感を楽しめた菖蒲




初めてのこぎん刺しーキットで作るピンクッション

 

どこか北欧っぽさを感じる・・・
そんな表現でよく語られる「こぎん刺し」は、「菱刺し」や「庄内刺し子」と並ぶ日本3大刺し子の一つ。青森県の津軽地方に伝わる刺し子技法です。

粗い麻の布の縦糸を数えながら、織り糸の間を規則的に奇数の目で横に刺していくこぎん刺し。美しい幾何学模様が多くて、本当に素敵です。私もいつか経験してみたい、と思っていました。

そして、ついにトライすることができたのです。minneで可愛らしいピンクッションのキットを発見したときは、これだ!と思いました。キットなら、必要な材料が揃っていて、説明書も付いていますからね。

ビギナーにはピッタリのサイズ感ですし、柄も可愛く糸色も好み。今後、針仕事のときにこのピンクッションをそばに置いたら、見るたび楽しくなりそうです♡

 

 

 

こぎん刺しの画像_ピンクッション1

こぎん刺しのピンクッション




■準備段階から楽しい

minnneでお買い物をしたのは、初めてでした。ハンドメイド作品だけでなく、手作り用のキットもあるのですね。何か新しいことに挑戦しようかな、というときに、「お試し」ができるキットの存在はありがたいです♪

今回は「CHOCOLAT604'S GALLERY」さんで、購入させてもらいました。素敵な完成作品も、たくさん販売されています。

 

minne.com

 

届いたキットには、下書きのある生地と、こぎん糸、中綿、ウッドボウルが入っていました。すごく可愛くて、テンションが上がります。

それから図案と作り方の用紙もありました。ただ、こちら中級レベルということで、全くの初心者の私は、やはりネット検索でこぎん刺しの「最初の一歩」を教えてもらいました。

 

こぎん刺しの画像_ピンクッション2

021_02 キットの中身

 

また、針はセットに入っていなかったので、こちらもネット検索で手ごろなものを注文。こぎん針って、先がとがってなくて丸い。そして結構長いんですね。

やっぱり、普段馴染んでいる刺し子とは、技法も道具もかなり違います。それがまた新鮮で、面白い。へえぇと感嘆しながら、準備段階からしっかり楽しんでいる私でした(*^^*)

 

こぎん刺しの画像_ピンクッション1

こぎん針。普段使う刺しゅう針と並べて

今回はこちらを購入しました↓


ダルマ こぎん針 KOGIN NEEDLE 2本 01-8860


■花十字の格子模様

こぎん刺しは、中心から始めるのが基本のようです。なので、刺し方図案と見比べながら、円の中心(下書きは裏面)から刺していきました。後で反対方向も刺すので、糸を長めに残してのスタートです。

糸は6本どりのものが入っていたのですが、4本どりとの指定だったので、4本抜き出して使いました。

 

こぎん刺しの画像_ピンクッション4

刺し始めます。右側は裏面

 

織り糸を数えながら刺すって、目が疲れそうだなあと思っていたのですが、この布はかなり目が粗いようで(20count) 、小さな作品ということもあり、そんなに大変ではありませんでした。

というか、これ、本当に楽しい!
「花十字の格子模様」というそうですが、そのデザインの可愛らしさもあり、段が進むごとに幾何学模様ができていく喜びに、夢中になってしまいました。ほんと、時がたつのも忘れます。笑

 

こぎん刺しの画像_ピンクッション5

模様がでてくる。右側は裏面

 

■糸が足りない?

説明書では、円に沿って半分刺し終わったら、布を逆さまにして残り半分を刺していく、とのことでした。ところが、途中まで刺してふと、残りの糸がかなり少ないことに気づいたのです。

糸は、最初から一定の長さにカットしてありました。1本の糸が6本どりなので、2本で4本どりが3本できるわけですが(ややこしい)、なんだか心もとない。最初に2つに分けておくべきでした。それに、糸の長さと本数を、あらかじめ確認しておけば良かった…。

多分、私の糸始末の問題です。糸が短くなってきたら、段の端で、裏側から表に出ないところ2、3目を返し縫いして糸をカットする、という方法をとったのですが(ネット情報)、このカットを贅沢にやってしまったのでしょうね。

そもそも、こぎん針は長いので、糸にある程度の長さがあるうちに処理をしないとやりにくい。そういう意味では、糸処理の回数を少なくするために、もう少し糸が長めだったら良かったのかもしれない。糸処理のたびに、残り糸を捨てるわけですから。

もしかしたら、糸を無駄にしないやり方が他にあったのかもしれません。でも、例えば玉止めでは、粗い織り糸の間を抜けてしまうでしょうし・・・

思えば、フランス刺しゅうでも、刺し子でも、私はいつも糸処理でつまづいてきた気がします。でも、そこで学びを得てきたのですから、今回のつまづきも、決して無駄ではなかったと信じましょう!

さて、そして私はどうしたかというと、手持ちの刺しゅう糸(25番)の中に似た色がなかったかと、探してみました。すると、なんということでしょう!もう、同じ色としか思えない糸が見つかったのです!

遠い昔に買った糸でした。短大の卒業制作で必要だったため、たくさんの刺しゅう糸を買い揃えた若き日の私。ブルーだけでもかなりの種類があります。その中の1色が、まさに今回のこぎん糸と同じ色だったのです。何でもとっておくものですね。笑

太さも同じだと思います。ただ、少し艶がある。ほとんど気にならないのですけどね。それで、この刺しゅう糸を、円の端の方で使うようにしようと、残りのこぎん糸で先に円のなかほどを埋めました。

 

こぎん刺しの画像_ピンクッション6

びっくりするほど同じ色だった古いOLYMPUSの刺しゅう糸

 

こぎん刺しの画像_ピンクッション7

下2列が刺しゅう糸。ほとんど違いがわからない

 

■コロンと愛らしいフォルム

そうして、なんとか全部、刺し終わったのでした。やっぱり、この模様はとても可愛いと思います。

 

こぎん刺しの画像_ピンクッション8

刺し終わり(始めた部分の糸処理がまだですが)

 

次に、下書きの外側の円に沿って、ぐし縫い。手縫い糸で縫うのですが、あとでぐーっと絞るので、切れないように2本どりにします。布の四隅の角は余分なので、落としておきました。

 

こぎん刺しの画像_ピンクッション9

ぐし縫い。右側は表面

 

この後、中に綿を詰めて、糸を引き絞り、しっかり糸止めをします。

こぎん刺しの画像_ピンクッション10

中綿をギュッと詰めます

 

器となるウッドボウルの内側にボンドを塗り、クッションを接着させたら完成です。ボンドが乾くまで、1日ほどそっとしておきました。

 

こぎん刺しの画像_ピンクッション11

ボンドで接着して完成

 

お椀のようなウッドボウルに丸いクッションが乗っていて、そのコロンとした姿に思わず笑みがもれます。横から見ても、なんとも愛らしいフォルムです。

 

こぎん刺しの画像_ピンクッション12

飾っておきたくなるようなピンクッション

 

初めてのこぎん刺し。小さな作品だったので短時間で完成しました。終わってしまうのが残念で、もっと刺していたいと思ったほど、とても楽しい糸仕事でした。

糸が足りなくなったときは焦りましたが、糸処理についてもう少し調べて、また違う作品にも挑戦してみたいと思います。次もキットにするかどうかは、まだ楽しく考え中です(*^^*)

 

 

こぎん刺しの画像_ピンクッション13

可愛い幾何学模様のこぎん刺し

 

 


刺し子17作目は、ゆらぎつなぎの花ふきん

 

三寒四温の日々。春を待つ気分は楽しいのですが、寒暖差はなかなか辛いものがありますね。体調を崩さないように気をつけましょう。

春というのは、丸みを帯びた柔らかいイメージがあります。直線というより曲線かな?
刺し子でも、久し振りに曲線を刺してみたくなりました。もちろん、春らしい色味の糸を使って❀

刺し子初心者。17作目は、ホビーラホビーレさんの「ゆらぎつなぎ」389です。

 

 

刺し子の画像_ゆらつなぎの花ふきん1

ゆらぎつなぎ

 

 

■明るく、優しく、淡いかげろうのように

ホビーラホビーレさんのサイトを見ると、ゆらぎつなぎは、そよ風に吹かれてゆらゆらと揺れる植物をイメージしたオリジナル柄、と書いてありました。

そんな前知識なしで、店頭でこの図案付き刺し子布を見かけた私は、ゆらゆらと立ちのぼる陽炎(かげろう)みたいだな、と思ったのです。

糸遊(いとゆう)という言葉があります。春の晴れた日、地面からゆらゆら立ちのぼる蒸気。かげろうのこと。

この文様は、まさにそんな印象でした。春の森の朝、草むらや湖面からゆっくりと水蒸気が上がっていく様子が思い浮かんだのです。だんだん、世界があたたかくなっていき、景色に色が付いてくるような。

風に吹かれる植物、も素敵だけれど、自分の印象を大事にしようと思った私です。なので、使う糸はどこまでも明るく、優しく、淡くあってほしい、と、「絲-ito-」さんのピンク系のまだら染め糸と、ブルー系の段染め糸を組み合わせることにしました。

まずは、裁断と仕付け。今回も枠外で糸処理をするため、表布と裏布は最後にコの字とじをする手順です。

 

刺し子の画像_ゆらつなぎの花ふきん2

裁断後、枠内で仕付けしてから、まずは表布を折り込み仕付け

刺し子の画像_ゆらつなぎの花ふきん3

表布に合わせて裏布を折り込み、仕付けする

 

枠線の中も、刺している間にずれていかないよう、ざっくりと4方向くらい仕付けをしました。

 

刺し子の画像_ゆらつなぎの花ふきん4

しつけをしたら、いよいよ可愛い色の糸の出番

 

まずは、ピンク系のまだら染め糸で枠線から刺していきます。そして、文様も。曲線なので、少し短めの針を使いましたが、ずいぶんラクに進めるようになりました。針、いろいろ変えてみるべきですね!

文様なのですが、ホビホビさんの説明書を見て、なるほどこんな風に横へ横へと刺していくんだと、理解しました。ず~っと、ゆらゆらと立ちのぼって刺していくのだと思っていたので。笑

 

刺し子の画像_ゆらつなぎの花ふきん5

ジグザグに進める。右側は、裏面

 

もう、ほんっとに可愛い色で、刺していると心がやわらかく和みます。

 

刺し子の画像_ゆらつなぎの花ふきん6

糸を愛でながら刺し進める

 

反対側をブルー系の段染め糸で。こちらも素敵なニュアンスカラーです。ピンク系と合わせるとよりカラフルになるのですが、淡さや程よい渋みが落ち着いた雰囲気も醸し出しているようです。

 

刺し子の画像_ゆらつなぎの花ふきん7

ブルー系も好きな色合い。右側は、前の糸と交差するところ

 

ピンク系とブルー系でワンセット。これを6セット刺せば完成なのです。シンプルですね。

 

刺し子の画像_ゆらつなぎの花ふきん8

ワンセット刺し終わったところ。右側は裏面

 

■疲れた心をあたためてくれた文様と糸

ところで先週、清水の実家へ行き、何度目かの片付けや遺品整理をしてきました。父が他界して、1年がたちます。

遺品整理はなかなかはかどらず、簡単には進みません。かなり手ごわい。心が揺れることも多いですしね。

でも、亡くなった両親の思い出と過ごせる大事な時間なので、私なりにこれからも真心を込めて片付けていきたいと思っています。

 

✻もうひとつのブログです。よろしければご覧ください↓

tsukikana.hatenablog.com

 

↑ここでも書いていますが、夕食後のひとときを、ひとり刺し子をして過ごしたりしました。そう、この「ゆらぎつなぎ」です。

この文様と糸たちのおかげで、疲れた心があたたまりました。明るさ、優しさ、淡さに触れたかったので、本当に持って行って良かったです(*^^*)

そして、前回作った「がま口ピンクッションケース」も、大変役に立ってくれましたよ♪

 

tsukikana2.hatenablog.com

 

 

刺し子の画像_ゆらつなぎの花ふきん9

実家でも刺し子タイム

 

■詩的な気分も表現させてくれる

さて、文様を刺し終わったら枠飾りをして、表布と裏布を合わせて仕付けし、手縫い糸でコの字とじをします。これが、結構大変だったりするのですが(私は不器用なので)、仕上がりを左右する大事な工程、頑張ります。

 

刺し子の画像_ゆらつなぎの花ふきん10

コの字とじ。角の縫い代は噛み合せて

 

水通しして干し、半乾きでアイロンをかければ、完成です♪

 

刺し子の画像_ゆらつなぎの花ふきん11

ゆらぎつなぎ、完成です

 

それにしても、糸色が可愛くないですか?(しつこい?)

 

刺し子の画像_ゆらつなぎの花ふきん12

糸の色が可愛いのでアップで♡

 

今回の「ゆらぎつなぎ」は、難易度は低く、ゆったりと面を埋めているから針数も少なく、きっと私のような初心者さんにはうってつけなのでしょう。手早く気持ちよく刺し進めることができて、今の私にはちょうど良かったです。

でも、仕上がりに重みを感じるほどの、ぎっしりした文様も大好き。かっこいいし、仕上げたときの達成感もすごく大きい気がします。

刺し子の文様はいったいどれほどあるのでしょうね。ホビホビさんでも次々と新作を出していますから、伝統柄も含めて恐ろしいほどの数があるのだと思います。

とかく手の遅い私は、生涯でそのほんの一部にしか触れられないことは明白。だからこそ、これからもそのときの自分の気持ちやコンディションに沿った文様を選んで、楽しんでいこうと思います。

日常で何かを感じて、ちょっと詩的な気分になったとき。選ぶ文様や糸で、その気分を表現することができるのも、刺し子の魅力のひとつですよね。懐の深さを感じます。

ゆらゆらと立ちのぼる優しいかげろう。そんな気分で刺した今回のゆらぎつなぎでしたが、いつか、やわらかく揺れる植物を思いながら刺したくなる日が、私にもくるんじゃないかな、という気がしています。

 

 

刺し子の画像_ゆらつなぎの花ふきん13

優しさを与えてくれたゆらぎつなぎ