色あわせ、糸あそび。

Sashiko brings a smile.

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刺し子16作目は、あじさい刺しの小さなあしらい (がま口ピンクッションケース)

 

花ふきんづくりも楽しいのですが、刺し子をあしらった小物づくりも時々はしたいと考えている、つきかなです。

今回は、かねてから「あったらいいな」と思っていたものを、形にしてみました。
それは、一緒に旅をしてくれる相棒です。

実家の片付けで帰省したときとか、旅先とか。なんなら新幹線の中でも、刺し子や刺しゅうができたら嬉しいな♬と思い、普段使っている最低限のお道具を、コンパクトに持ち歩けるようにしたかったのです。

刺し子初心者。16作目は、あじさい刺しをあしらった自作デザインの、がま口ピンクッションケースです。

 

 

刺し子の画像_あじさい刺しのあしらい1

あじさい刺し




■悩み抜いた形づくり

がま口の口金を使って、昨年暮れにはモバイルバッテリーを入れるためのポーチを作りました。

 

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このポーチは小さな口金を使った縦長の形だったのですが、今回は少し大きな口金にして、パカッと開いた面に道具を収納できるタイプに挑戦。印鑑ケースを大きくしたような感じです。

ネットショップで欲しいサイズの口金を入手し、型紙を作りました。刺し子する表布とポケットは生成りの綿麻布を、裏布はこげ茶色のフェイクレザーを使うことに。

 

刺し子の画像_あじさい刺しのあしらい2

口金と型紙と使用する布

 

ピンクッションはどこにどんな形で、どんなやり方で取り付けようか、ポケットはどう配置しようか、と。実はずっと以前からちょいちょいデッサンしたりしつつ、あーでもないこーでもないと悩んでいたのです。

でも、悩んでばかりではちっとも形にならないから、「これは試作だ!」と自分に言い聞かせて、ようやくデザインを決定しました。

口金を開いた左側に、糸切バサミを入れるポケットを付けます。そのポケットにさらに半分サイズのポケットを重ねて、そこに針セットや糸通しが入るようにしました。

ポケットは強度が欲しいので、布を2枚重ね。折り曲げてポケット口を「輪」にします。重ねるポケットは中表にして一辺を縫い、表にひっくり返して下のポケットに揃えます。

 

刺し子の画像_あじさい刺しのあしらい3

ポケットの準備

 

重なる部分の右端は、ブランケットステッチで閉じました。

 

刺し子の画像_あじさい刺しのあしらい4

こんな風に道具が入る予定



次は、ピンクッションです。口金に一部挟み込むことで、スッキリ感を出そうと思いました。針が突き抜けると危ないので、厚紙で作った型紙を、そのまま底に入れることにします。

中綿を入れたときの厚み分と、縫い代(縫わないのでのり代かな?)分をとって布を裁断。丸みのある部分はギャザーを寄せるため、2本どりの糸でぐし縫いしておきます。

 

刺し子の画像_あじさい刺しのあしらい5

厚みは約1cm、のり代は0.8cmくらい

 

中綿を入れる前に、薄いキルト綿をカットして、厚紙に貼ってみました。そして、口金にはめ込む2辺は先にボンドで接着しておきます。

 

刺し子の画像_あじさい刺しのあしらい6

ピンクッションに中綿を入れる準備

 

手芸綿を適宜詰め込み、裏で糸を絞ってギャザーを寄せ、ボンドで接着します。ケースの構造上、クッションのふくらみは、左上が一番こんもりするように。口金に向かって薄くなっていく感じで形を整えました。

 

刺し子の画像_あじさい刺しのあしらい7

中綿を入れ形を整える

 

ピンクッション完成。内布(フェイクレザー)にボンドで接着します。さて、口金に沿ってちゃんと入るかな?ちょっと入れてみて確かめます。

 

刺し子の画像_あじさい刺しのあしらい8

口金に入れてみて確認

 

なんとかイメージ通りにできそうです。


■可憐なあじさい刺しが大好き

続いて、表布。いよいよ刺し子を施します!

一目干網のがま口ポーチを作ったとき、刺し子をした後で布が若干歪んでしまったことを思い出し、今回は刺し子するより先に、接着芯を裏に貼ることにしました。その方がきっと、歪みにくいと思ったからです。

そして、今回は小さいとはいえハサミも入るので、布をさらに丈夫にしようと、ハードタイプの接着織物芯地を使うことにしました。

5ミリ方眼で布に線を書くのは相変わらず苦手なのですが、この芯地を貼ったおかげで、ずいぶん書きやすかったです。

 

刺し子の画像_あじさい刺しのあしらい9

綿麻布に5ミリ方眼の線を引く

 

ところが!
なんということでしょう。いざ、刺し子を始めたら、硬いのなんの。ちっとも針が進みません。一目ずつ針を抜かなくてはならず、往生しました。涙

何度も新しい布でやり直そうと思ったのですが、これは試作!と自分に声掛けしたせいか、だんだん変に気持ちが大らかになり?ガタガタの針目に愛嬌を感じ、可愛く思えてきたのですから、いい気なものです。笑

 

刺し子の画像_あじさい刺しのあしらい10

落書きみたいな針目

 

あじさい刺しは、以前、ホビーラホビーレさんの印刷済み布で作った花ふきんで、刺したことがありました。

 

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今回のあじさい刺しの文様は、あのときのとはちょっと違います。同じ大きさで十字を刺し、そのあとでくぐらせます。針を刺さなくていい「くぐり刺し」タイムは、布が硬い今回、本当にありがたかったです!笑

 

刺し子の画像_あじさい刺しのあしらい11

ひと方向のくぐり刺しが終わったところ

 

糸は、繊細なレースっぽいニュアンスを出したくて1色に。Olympusさんのオフホワイト(202)の細糸を使用。
くぐり刺しのひと方向が終わったとき、そこに可愛い六角形が並ぶことに気づきました。刺し子って、道のりの途中でだけ出会える顔があるんですよね♡

 

刺し子の画像_あじさい刺しのあしらい12

十字とひし形、そして六角形が可愛い

 

そして、もう一方のくぐり刺しをすると、この六角形は目立たなくなってしまいます。その代わり、あじさいが咲きます♡

 

刺し子の画像_あじさい刺しのあしらい13

もうひと方向をくぐり始めたところ

 

不思議なことに、くぐり刺しを終えると、あのガタガタだった十字が気にならなくなります。魔法みたい!

5ミリ方眼を使って細糸で刺す。そんなあじさい刺しも可憐で素敵なんだなあと、私はこの文様にすっかり魅了されました。懐も深いしね。大好き♡


■緊張の仕上げタイム

表布の刺し子が済んだら、型紙の形に裁断します。このとき、口金に入らない部分だけ、「耳」を付けます。1cm幅で3.6cmくらい。この耳は、裏に折り返して両面テープで留めました。

 

刺し子の画像_あじさい刺しのあしらい14

裁断し、「耳」を裏に折り返して貼る

 

続いて、表布と裏布を合体。まずは中央部分(がま口の底)がずれないように、両面テープで貼り付けます。

 

刺し子の画像_あじさい刺しのあしらい15

両面テープで中央を貼り付ける

 

外周をまつり縫いします。端ミシンでも良いと思いますが、私は今回も手縫い。ここは口金の中に入ってしまうので、針目を揃えようと頑張らなくて大丈夫なの。笑

口金に入らない部分(見える部分)は、まつらないでおきました。ミシンのきれいなステッチならまるっと一周しても良いと思います。

布が何重にもなっていて厚みがあるので、がま口を閉じたときに内布がだぶつく恐れがあります。クリップで留めて加減しながら縫いました。内布(レザー)の口金側の端をほんのちょっとカットして、調節もできます。

 

刺し子の画像_あじさい刺しのあしらい16

外周をまつり縫い

 

最後に、口金へのセット。これが、緊張するのですよね。

ボンドを流し込んだ口金に本体を入れ、紙紐も目打ちなどを使って押し込んだ後、口金の端(4か所)をペンチでかしめます。このとき、傷がつかないようにあて布をします。

がま口をあけたまま、数時間乾かしたら、完成です。

 

刺し子の画像_あじさい刺しのあしらい17

ボンドと紙紐で口金にセットする

 

刺し子の画像_あじさい刺しのあしらい18

ペンチでかしめ、ボンドが乾くのを待つ

 

■いつか、リベンジします!

完成しました。
ほぼ、思い描いていた形になり、嬉しかったです♪

 

刺し子の画像_あじさい刺しのあしらい19

約12cm×8cmのコンパクトながま口ケース

 

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ケースの内側

 

ポケットには糸切バサミと、針セット、糸通しが入り、ピンクッションの上のスペースにはニードルレストをセットすることもできます。

 

刺し子の画像_あじさい刺しのあしらい21

道具を入れるとこんな感じに

 

実は、接着芯の件以外でも複数の失敗をしています。悔しいなあ。
まあ、いつものことですが…。

でも、だからこそ、学びも多かったと言えるのですよね。

このがま口ピンクッションケースは、是非リベンジしたいと思います。もう少し改善・工夫したいことも見つかったし、次はきっと、もっと完成度を上げられるはず!

それでももちろん、苦労して生み出したこの子はとーっても可愛い。笑
しばらくはこちらを愛用し、旅先に連れて行きますね(*^-^*)

 

 

刺し子の画像_あじさい刺しのあしらい22

繊細な表情のあじさい刺し




刺し子15作目は、枡ざしの花ふきん

 

刺し子をあしらった小物づくりをしてみたくて、昨年の秋ぐらいから妄想が膨らんでいた私です。まだ妄想のうちのひとつしか形にしていませんが、これからも折を見て作ってみたいと考えています。とっても楽しいので。(*^-^*)

形になったひとつというのは「一目干網のがま口ポーチ」。年末年始の外出に、モバイルバッテリーケースとして大活躍してくれましたよ♪

 

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そんなわけで、しばらく花ふきんから離れていた私です。が、久々に広い面積を刺し子したいな、と思いまして、刺し子布のストックを引っ張り出しました。

今年初の花ふきん、どれにしようかな。嬉しく迷いました♡

刺し子初心者。15作目は、ホビーラホビーレさんの「枡ざしⅡ」318です。

 

 

刺し子の画像_枡ざしの花ふきん1

枡ざし




■縁起の良い伝統柄

この印刷済み刺し子布は、ネットでなく、確かホビホビさんの店頭で購入したはず。図案の可愛らしさに惹かれたのでしょうね。

難易度で言えば、かなり簡単だと思ったのです。縦、横、斜めになみ縫いして、枡の中に小さなモチーフを置いていく。

ただ、モチーフ部分の糸始末はどうするのかな?と疑問には感じたんですよね。疑問には感じていつつ、何とかなるだろうと、私は見切り発車してしまいました。早く刺したくて。笑

本当に可愛い文様だと思います。枡ざしというのも伝統柄だそうで、読み方が「増す」と同じ意味合いを持つため、縁起物とされているのだとか。(ホビーラホビーレさんのサイトより)

枡の中にモチーフを入れたのは、きっとホビホビさんオリジナルなのでしょうね。枡刺し、とせず枡ざし、としたのは、何故なんだろう?と細かいことを言いつつ。笑

増したり、益々栄えたり、を願いながら刺していこう♡と、久々に布の仕立ての準備をしました。モチーフ部分以外は、今回も枠線の外で糸処理をします。なので、表布と裏布は、最後にコの字とじで合わせます。

 

刺し子の画像_枡ざしの花ふきん2

布を裁断し、仕付け糸を(糸が見えないかな)

 

■色はお気に入りの組み合わせで

糸の組み合わせをどうするか。
迷いましたが、ホビホビさんの濃ブルー(113)とライトグレー(129)に決めました。

この2色が並ぶ美しさを、以前、亀甲花刺しの花ふきんのときに知ったのです。何とも言えない微妙な色味。綺麗で可愛いのにシックで。あの心地良さをもう一度、と思ったのでした。

 

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枠線を刺し、まずは縦方向に。
このデザイン、ステッチが並ぶみたいで心地良いんですよね。色味的に、少しデニムを彷彿とさせるかも、などと考えながら。

続いて横方向に刺していきます。3本ラインが交差する部分がドキドキしてしまうくらい好きです。笑

 

刺し子の画像_枡ざしの花ふきん3

縦を全て刺してから、横方向を刺す

 

刺し子の画像_枡ざしの花ふきん4

3本ラインの交差点。右側は裏側

 

縦横が終わったら、斜めのライン。私は真ん中あたりを通るラインから刺していきます。ブルーとグレーを交互にしました。

 

刺し子の画像_枡ざしの花ふきん5

斜めライン。右側は、全て刺し終わったところ

 

■モチーフ部分の刺し順を検討

さて、いよいよモチーフ部分です。
“糸始末どうする問題”を、解決しなくてはなりません!

端切れを使って、試しにモチーフを刺してみました。ひとつは玉止めをして、ひとつは玉止めせずに数針被せ縫いする方法で。

ただし、被せ縫いするには、ホビホビさんの説明書の通りでは無理でした。始めのラインが一針しかないからです。なので、順番を少し変えて刺してみました。

 

刺し子の画像_枡ざしの花ふきん6

上が玉止めで下が被せ縫い。右側は裏側

 

被せ縫いの方は、裏の飛び出した糸を最後にカットする想定。玉止めはそうもいきませんから糸も残って玉もある。可愛いといえば可愛いけど、ちょっと気になります。やっぱり、玉止めはしたくないなあ、と。

3針ほど手前から、裏布だけをすくって縫いはじめ、針を表の始点に出してから普通に刺していき、縫い終わりも裏に針を出して3針ほど裏布だけをすくって返し縫いをする。

これを被せ縫いと言うのか、本当のところはわかりませんが、私はこの方法でモチーフを刺そうと決めました。

そのためには、最初と最後に、長い直線がほしいところです。もう一度、ホビホビさんの説明書の図とにらめっこ。もっと適した刺し順はないかと、真剣に考えましたよ!

 

刺し子の画像_枡ざしの花ふきん7

左はホビホビさんの図。右が私の考えた順番

 

①から始まり、①´まで直線縫い、②の場所まで布の間をくぐらせて、②から②´までを刺す。これを順序通りに繰り返して、最後、⑫´で終わります。最初と最後、返し縫い(被せ縫い)をする長い直線を用意できました。(^_^)v

 

刺し子の画像_枡ざしの花ふきん8

裏側からモチーフを刺し始める。右側は表の始点

 

モチーフの色は、ブルーとグレーに加えて、パープル(112)も採用しました。

実は、ブルーとグレーの残り糸が少くなってきて、全部をこの2色で刺せるのか心許なかったからなのです。でも、このパープルは好きな色だし、良いアクセントになったかなって、満足です。3色の配置でも、またまた悩みましたけどねー。

 

刺し子の画像_枡ざしの花ふきん9

全てのモチーフが刺せました

 

■悩み、考えたからこその愛おしさ

モチーフが刺せたら、グレーで枠飾りをし、いつものように表布と裏布を仕付け糸で合わせ、周囲をコの字とじにします。四隅のカドが綺麗に出やすいので、この方法が好きなのです。

今回は少し汚れがついてしまったので、おしゃれ着用洗剤で軽く手洗いとすすぎをし、半乾きでアイロンをかけました。

裏にピョンピョン飛び出していた糸端も、ちゃんとキワでカットしましたよ。水通しすると布が締まるから糸が落ち着き、その後でカットすることで抜けにくくなるらしいです。

 

刺し子の画像_枡ざしの花ふきん10

裏に出ていた糸端をカット

 

刺し子の画像_枡ざしの花ふきん11

糸がピョンピョンしてた裏面も、カットすればこんな感じ

 

刺し子の画像_枡ざしの花ふきん12

枡ざし、完成です

 

モチーフ、全部で30個ありました。
なかなか、根気がいりますね。笑

そして、モチーフについては、もう一考、二考、したくもあります。もっと、最適な刺し順があるかもしれないと。しつこい?笑

でも、苦労して考えて刺したモチーフは、愛おしいですね。特に、裏面はまだまだ改善の余地があるだけに、何度も見てしまうのです。

 

刺し子の画像_枡ざしの花ふきん13

モチーフの裏側

 

今回、つくづく思ったことがあります。

刺し子って、「今日はここまで」ってするのが本当に難しい。特に、数色の糸を組み合わせながら文様を完成させるときは、もうちょっと、もうちょっとと、先に進めたくなってしまう。

この感じ、編み物と似てるかも。昔の記憶ですが、もう一段、もう一段って、キリがつけられずに、ついつい夜更かししていました。模様編みとかアラン模様とかだと、もう大変。笑

先が、早く見たいんですよね。どうなっていくのか知りたくて、ワクワクするのです。

のめりこみやすい性格なのは、自覚しています。ワクワクするのも、いいことだとは思うのです。ただ…ちょっと反省もしております。他のこと、ぜーんぶ後回しにしちゃいがちなので!

そんな自省も含めて、いろいろ楽しく悩ませてもらった「枡ざしⅡ」。秩序の中に、柔らかな遊び心も感じる、素敵な文様でした。心和む時間をいただけたと思います。

この配色も気に入っていますが、例えば原色とかまだら染めとかで刺してみたら、どんな感じになるかな?また違った印象になるよね?なんて想像するのも楽しくて。

この文様、是非また刺してみたいです♪

 

 

刺し子の画像_枡ざしの花ふきん14

可愛らしさに和んだ枡ざし




刺し子14作目は、一目干網の小さなあしらい(がま口ポーチ)

 

麻布に刺し子をして、小物を作ってみたい。
あんなものもこんなものもと、頭の中ではいろいろ妄想しつつも、これまでなかなか実行に移せずにきました。

でも、ようやくひとつ、完成させましたよ!

刺し子初心者。14作目は、一目干網(ひとめほしあみ)をあしらった自作デザインの、麻布がま口ポーチです。

 

 

刺し子の画像_一目干網のあしらい1

一目干網




■がま口の口金を使って

手元にある生成りの麻布の端切れで、何ができるか考えていた私。また、最近がま口の口金を使って何かを作る、ということに興味があり(昔からがま口好きです)、セリアさんやダイソーさんで見掛けると、つい口金を買ってしまう(なんで?)、ということが続きました。

これはもう、刺し子をした麻布でがま口ポーチを作る、というのが、今の私の最適解なのではないか。そう思ったのですね。

 

刺し子の画像_一目干網のあしらい2

セリアの口金を使うことに

 

■一目干網という文様との出会い

問題は、どんな文様にするか、です。
布に方眼線を引くつもりなので、一目刺しのシンプルで簡単なものが良いとは思いました。それでいて、持ち歩くものを作るのだから、心が楽しくなるようなデザインが望ましいです。そして、初めての文様に挑戦したい気持ちもある。

どうしようかと考えていた頃、インスタで、ある刺し子本のことを教えてもらいました。なんだか、皆さん褒めていらっしゃる。

評判が良いのね。初心者向きだし。私も刺し子本の1冊や2冊は持っていた方がいいんじゃないかと、ちょうど思い始めていた時期でした。

それで、こちらを購入!(*^-^*)

 


刺し子のきほん

 

眺めているだけで幸せ。美しい作品の写真にうっとりです。もちろん、基本的なことを一から教えてくれるとても親切な内容。買って正解だったと思います♪

で。この『刺し子のきほん』の中にあった、「一目干網」が、今の私の求めている文様のように思えたのですね。初めて知った文様で、とても惹かれました。そして、本の中のこの一文を読み、決定!となりました。

「日本の伝統模様ですが、モロッカンタイルを思わせ、異国情緒もかもしています」

モロッカンタイルをすぐに画像検索。笑
モロッコのタイルですね。なるほど、確かに雰囲気が似ている。か、可愛い♡

最初は、生成りの麻布にオフホワイトの糸で、と思っていましたが、この文様にするならブルー系がいいな、と方針を変更。糸は、ホビーラホビーレさんの濃ブルー(113)を使うことにしました。大好きな色です。

ちなみに、一目干網は細かく切れ目ない網目が特徴。漁師の使う網を連想させることから名付けられた「干網」を一目刺しにしたもの。この文様には、敵を一網打尽にするという意から、勝負必勝、また福をからめとるという意味もあるようです。


■麻布に方眼線を引いて

まずは、方眼ノートに一目干網を書いてみることに。こうすることで、文様ができていく過程をしっかり理解できたと思います。

そして、口金に同封されていた説明書の型紙をもとに、自分の作りたい長さの型紙を方眼紙で作り直します。

 

刺し子の画像_一目干網のあしらい3

5ミリ方眼ノートに文様を書き、型紙をつくる

 

次に、布に型紙を置いて鉛筆で写し、中心を取って、フリクションペンで5ミリの方眼線を引きます。これが一番、時間がかかったかもしれません。(メンドクサカッタ)

定規を当てて引いていくのですが、線の太さも考慮しながら、布を引っ張らないように気を付けながら、まっすぐに平行に均等に線を引くというのは、なんて難しいのでしょう!

 

刺し子の画像_一目干網のあしらい4

5ミリの方眼線を布に引く

 

■モロッカンタイルに見えてくる

やっと、楽しい刺し子タイムです。笑
一目干網の刺し方はいたってシンプル。横方向と斜め2方向に一目おきに刺していくだけです。

 

刺し子の画像_一目干網のあしらい5

横方向を全部刺してから、斜め方向を

 

最後の斜め方向を刺していくと、文様が姿を現してきて気分が上がります。完成形が見えてくる、この最後の方向を刺すときが、やっぱり一番楽しくてスピードも増します。

網の模様を刺しているはずなのですが、もう、モロッカンタイルにしか見えません。笑

 

刺し子の画像_一目干網のあしらい6

全部刺し終わったところ。右側は裏面

 

裏は可愛らしい六角形が並びます。ポーチに仕上げるとき裏地を付けるので、この模様は見られなくなるんですね。ちょっともったいない気もしますが、仕方ないですね。

この後、接着芯をアイロンで貼り付けます。

 

刺し子の画像_一目干網のあしらい7

接着芯を付けたところ

 

アイロンをかけたので、フリクションで書いた方眼線は消えます。

 

刺し子の画像_一目干網のあしらい8

方眼線が消え、文様がくっきり

 

■仕立てにちょっと苦労して

同じ型紙で、ポーチの裏も作ります。糸と同系色のプリント木綿を使いました。

 

刺し子の画像_一目干網のあしらい9

裏の布を裁断したところ

 

表布、裏布とも中表に縫って、マチを作り、表布だけひっくり返します。口金に同封の説明書の通りに進めました。

 

刺し子の画像_一目干網のあしらい10

縫い止まりの印までを縫い、表布はひっくり返す

 

ミシンを出してくるのが億劫で、今回は手縫い。刺し子をすると、微妙に布が歪んでしまい、型紙の形と全く同じではなくなっていて、縫うときはちょっと苦労しました。

麻布のふわふわした感じと、刺し子をした厚み、そして接着芯の厚みと硬さも加わり、扱いは思っていたより大変に感じました。

ポーチ上部のカーブした部分は、セリアさんで買った「アイロン定規」が大活躍。綺麗なR(アール)が作れて助かりました。

 

刺し子の画像_一目干網のあしらい11

セリアのアイロン定規

 

この後、裏布を表布の中に入れて、上部をまつり、いよいよ口金を付けていきます。今回は、縫い付けタイプの角型口金を使いました。

 

刺し子の画像_一目干網のあしらい12

中心を合わせるために、布と口金に糸印を

 

この工程も、私には難関でした。
数ヶ所、仕付け糸でとめようとしたのですが、小さいせいか?やりにくく、テープでとめることに。その後、返し縫いの要領で糸を縫い付けていくのですが、裏から刺すときは針先で穴を探りながら、となるんですね。金属に当たり、針先が傷みそうで心配でした。

 

刺し子の画像_一目干網のあしらい13

試行錯誤の縫い付け。テープを少し破いて進めたり

 

それでも、なんとか完成しました。出来上がれば嬉しいものですね(*^-^*)

 

刺し子の画像_一目干網のあしらい14

縫い付ければ完成。裏地は糸と同系色

 

■がま口に心惹かれる

パチンと開けてパチンと閉める。そんながま口が軽快で、形に愛嬌も感じるし、私はファスナーよりも好きなんです。がま口の口金を使って刺し子のポーチが作れて、今、満足しています。

そうそう、この縦長の形にしたのは、モバイルバッテリーを入れたかったからなのです。

 

刺し子の画像_一目干網のあしらい15

モバイルバッテリー入れになる予定

 

ところで、がま口の口金には、大きさも形も素材も、いろいろな種類があるんですね。

実は、今回の刺し子のポーチを作る前に、口金を使って別のポーチ、そして印鑑ケースも作っています。それは、縫い付けタイプではなく、接着剤と紙紐で付けるタイプでした。これもまた、作っていて楽しかったですよ♪

 

刺し子の画像_一目干網のあしらい16

以前に作ったポーチと印鑑ケース

 

やっぱり、がま口は可愛いと思います。心惹かれます♡

しかし、最後の仕上げは簡単そうで、なかなか難しい。手早く綺麗に仕上げられるようになりたいと思うのですが、そのためにはもっと経験値を上げる必要がありますね。

まだ手元にいくつか口金があるので、これからも折を見て、何か作っていくつもりです。

そして、一目干網もとても好きになったので、是非また刺そうと思っています♪

 

 

刺し子の画像_一目干網のあしらい17

どこかエキゾチックな一目干網



 


くるみボタンで作る刺し子のニードルレスト

 

モチーフの試し刺しについて、前回、書きました。小さなスペースならば、生地に直接方眼線を引くことも苦にならず、試してみたい文様をすぐに刺せるというのが、とても魅力的に感じた私です。

 

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刺し子をあしらった小物も、いろいろ作ってみたい。
お裁縫は苦手なんですけど、ずっとそんな妄想もしています。試し刺しのサイズ感が、小物に仕上げた姿をイメージしやすくしてくれたようです。

いろいろ、作ってはみたいのですが・・・。
まずは手始めということで、お裁縫が苦手でもすぐにできる小物からかな。

というわけで先日、針を一時置きするための「ニードルレスト」というものを作ってみました。くるみボタンキットを使うので、簡単です♪

 

 

刺し子の画像_ニードルレスト1

刺し子のニードルレスト




■ニードルレストとは

針休め、針置き、を意味するニードルレスト。そういうものがあるということを、最近知りました。ニードルマインダーとも言うようです。

多くは、マグネットを使って針の紛失を防ぐようにしているみたい。

こぎん刺しやクロスステッチ刺しゅうなど、先の丸くなっている針を一時置きするときにはとても便利でしょうし、むしろ必需品なのかもしれませんね。他にも毛糸の閉じ針など、ピンクッションに刺せない針には、このニードルレストはきっと重宝するでしょう。

私は普段、先の尖った刺し子針や刺しゅう針、縫い針を使っているので、席を立つときは必ず、針はピンクッションに刺します。・・・嘘です。

縫っているのを中断するとき、針先を布にちょっとくぐらせて良しとしてしまうことが多いです。特に、針についている糸の長さが短いときは、ちょっと離れた所に置いたピンクッションを手元に持ってきてまで、刺そうと思えません…。

待ち針は、はずしてすぐに使うときなど、ついその辺に置いてしまいがち。それで、気がつくとどこかに消えていたり、何かの拍子に机から落ちてしまったり。
・・・危ないですよね!

軽くて小さなニードルレストが、私にも必要かもしれない。もう針が落ちたり行方不明になったりっていうことが、なくなるかも。
これ、すごく欲しくなりました!笑


■くるみボタンキットを使って

ネットの情報を頼りに、ダイソーのくるみボタンキットを使いました。38ミリのもので8個入り、打ち具と台、型紙が付いています。

まずは、表側になるパーツの裏面に、手芸用ボンドで、小さなマグネットを貼り付けておきます。

 

刺し子の画像_ニードルレスト2

くるみボタンキット。表側パーツの裏にマグネットを

 

布に型紙を使って丸く線を引き、くるみボタンの大きさの丸も書き込み、刺し子するための方眼線も書き加えます。フリクションペンを使いました。

そして、好みの刺し子をしたら丸くカットし、アイロンの熱で下書きを消します。

 

刺し子の画像_ニードルレスト3

麻布に線を引き、刺し子をして丸くカット

 

説明書の通りに、打ち具台に布と表側パーツ(マグネット付)をのせて押し込み、布端を内側に倒し入れて、裏側パーツをのせ、打ち具でしっかり押し込みます。
(私は裏側パーツのボタン足部分をペンチで取り除きましたが、付いたままでも大丈夫のようです)

 

刺し子の画像_ニードルレスト4

打ち具でしっかり押し込めば、簡単にくるみボタンが

 

この後、同じようにもうひとつ作りますが、これは裏に貼り合わせるためのものなので、刺し子はしなくて大丈夫。ボタン用の裏側パーツも使いません。

丸くカットした布の内側5ミリくらいのところをぐし縫いし、表側パーツを入れて糸を引き絞ります。あとは、星形に糸を渡して引き締め、玉止めしておきます。

 

刺し子の画像_ニードルレスト5

ぐし縫いして、引き絞り、星形に引き締める

 

その縁に、ボンドを付けて、刺し子をした表側と合わせ、乾いたら完成です。

 

刺し子の画像_ニードルレスト6

ボンドでふたつのボタンをひとつに。ゴムなどでしっかり抑え乾かす

 

■楽しいのでふたつ目を作る

思っていた以上に簡単だったし、楽しかったので、もうひとつ作ってみました。

文様の中央を、ちゃんと円の中央に合わせるために、今度は、先に方眼線を布に引き、パーツを置いて円を写し取り、その後で、型紙の大きな円を書きました。ひとつ作ったからこそ、学べたのです。なーんてね。

 

刺し子の画像_ニードルレスト7

ふたつ目はちょっと念入りに

 

今回は薄手の布だったので、2枚重ね。待ち針で止めました。後は同じで、刺し子をして丸くカットし、アイロンで下書き線を消します。

 

刺し子の画像_ニードルレスト8

先程のニードルレストを早速、傍において

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これは花格子かな?右は裏面

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打ち具で形ができるとなんだか可愛い♡

刺し子の画像_ニードルレスト11

刺し子なしでもうひとつ作り、ボンドで合わせる

 

あっという間に、ふたつのニードルレストができました。

 

刺し子の画像_ニードルレスト12

ニードルレスト、完成です

 

ちょっと、マカロンみたいで可愛いと思いませんか?
刺し子タイムを、より楽しくしてくれそうです♪

 

■くるみボタンをもっと活用したい

実は、ふたつ目に使った布は、かなり昔に買った私の麻のブラウスなのです。高価だったし、思い出もあったりして、古くなってもなかなか処分できずにいました。

今回、やっと処分。こうして小さなニードルレストになり、私のてのひらに収まっているのを見ると、あのブラウスがコンパクトに愛らしく変身したみたいで、なんだか嬉しくなりました。再利用できたというのとも、また違う満足感があります。

ニードルレストでなくても、くるみボタンって可愛いですよね。好きだった服とサヨナラするときに生地の一部でくるみボタンを作る、というのはどうでしょう。

もちろん、リユースやリメイクできたら一番ですが、その道を選ばないのならば、こんな方法も良いかもしれません。

服の一部を可愛く保存することで、思い出を手元に残しつつ断捨離できますし、服たちも喜ぶ気がします(*^-^*)

今回、小さな手芸をしながら、そんなことも考えました。

 

 

刺し子の画像_ニードルレスト13

マカロンみたいな?ニードルレスト



 


小さな布でモチーフを試し刺し

 

刺し子に親しむようになり、隙間時間を利用して花ふきんを作っていく楽しさを知りました。印刷線に沿って糸を刺し、少しずつ文様が色づき浮かび上がってくるのを見るのは、本当に心弾むものです。

ただ、手が遅い私には仕上げるまでに時間がかかります。そして、まだまだ完成には遠いなあ、と思っている間にも、WebやInstagramで次々と素敵な作品を目にし、「私も今度はこの文様を刺してみたい」と何度も思ってしまうのでした。

そんな気持ちのあるうちに、ちょっとだけでも試せたら、モチーフだけでもどうなっているのか確認できたら・・・。

とりあえず、5ミリ方眼のノートに8センチ~10センチ四方くらい、モチーフを落とし込んで、「ここはどう進めているんだろう」「どうくぐらせていくんだろう」「ああなるほど、こうつなげるのね」なんて解析めいたことをして楽しんでいたのですが、「これ、そのまま布で試してみたいな」と……。

はい。
もう、後回しにしてばかりなのはやめようと思います。何に使えるか、なんて考えず、とにかく小さな布で試してみることにしました♪

 

 

刺し子の画像_モチーフ試し刺し1

モチーフ試し刺し

 

 

■晒布を持っていた?

小さな布で。
そう思ったのですが、これまで図案印刷入りではあるものの、晒(さらし)布を使って刺し子をしてきたので、作ったものをこの先サンプラー的にも活用したいのなら、ここはやはり晒布でいきたい。

で、思い出したのです。私、晒布を持っていました!

それは、長女だったか次女だったか。
どちらかわかりませんが、おなかにいるとき、戌の日参りで神社でいただいてきたもの、いわゆる腹帯でした。使わずに引き出しの奥にしまっておいたのですね~。笑

ざっくり30年くらい前のものですが、試し刺しするには問題ないだろうと、利用することにしました。まっさら綺麗なままですし。黄ばみもないし、きっと質は良いのでしょう。

刺し子で使う晒布も、いろいろな種類が販売されていますよね。いつか、もし、万一、ふきんを自作するために反物で買う、なんていうことになったら、晒布の種類についてもしっかり勉強したいものです。


■晒布に方眼線を

花ふきんを反物の晒布を裁断して自作する方に、尊敬の念を禁じ得ません。メーカーの図案に頼らず、ご自分で方眼線などを晒布に引くのですよね。ああそれ、やっぱり私には無理だろうなあ。

あんな広い面積を5ミリ方眼とかで埋めていくなんて!

以前、小さな敷物に刺し子のあしらいをしたとき、ちょっとだけ引いたことがありましたが、ちょっとだからやれたのですね。小さなスペースなら、頑張れる。笑

✻こちらです↓

tsukikana2.hatenablog.com


試し刺しの今回も小さなスペースだから、なんとか方眼線を引けました。ちょっとずれて直したりもしましたが、後で消すので大丈夫!
5ミリ方眼の工作用紙と、定規を使いました。

 

刺し子の画像_モチーフ試し刺し2

小さな布に方眼線

 

■フリクションペンで線を引く

筆記具としては、熱を加えると消えるフリクションペン。これが便利だと、かねがね聞いておりました。で、外出した折、書店と東急ハンズで入手。

フリクションボールスリム 038のピンクとオレンジ、フリクションファインライナーのライトグリーン、グリーン、ライトブルーの5本です。

ちゃんと消えるのかな?
試し書きしてアイロンで消してみます。

 

刺し子の画像_モチーフ試し刺し3

015_03 2 5色で晒布に線を引く。右側はアイロンを当てたところ

 

ライトグリーンだけ、うっすらと黄色みが残るようですね。

使用感としては、スリムの方は細くて良いのですが、布にひっかかりやすく色が出にくい、ファインライナーの方は太めで(細字、とありますが)ゆっくり書くと布に滲みやすいようです。

フリクションにもたくさん種類があって悩みます。もっと晒布に引きやすいものがあるのかもしれませんね。ご存知でしたらどうぞお教えくださいませ。

 

✻フリクションのサイト↓

www.frixion.jp


■文様の名前に悩む

5ミリ方眼ノートに、いくつか写し取ったモチーフ。一番最初のものには「十字花刺しアレンジ」とメモが添えてあります。

最近、ネットで見掛ける刺し子の文様の名前に「?」となることが増えました。○○アレンジとか、変わり○○とか、いわゆる派生した文様なのでしょうか、これがすごく多いように感じています。

それも、人によって、あるいは会社によって、同じ名前でもデザインが違ったりするのです。例えば十字花刺しアレンジといっても、何通りもあるんですね。ああ、そうか、アレンジなんだから自由でいいんだ、なんて、初心者はやっとわかって赤面したりします。

ただ、伝統文様だと思っていたものでも、人によって全然違う絵柄だったりすることもあり、やはり混乱しますね。例えば「花格子」や「花刺し」には、アレンジ以前にいろいろなデザインが見受けられます。

また同じ絵柄にしか見えないのに、人によって違う呼び方をしていたりすることもあり、自由でいいのだろうけど、ややこしいなあ、なんて苦笑することもあったりして。

なので、これが本当に「十字花刺しアレンジ」と呼んでいいものかわかりませんが、とにかく「可愛い、真似してみたい」と思ったモチーフだったので、形になったときにはすごく嬉しくて、やり方もわかって満足したのです。

 

刺し子の画像_モチーフ試し刺し4

十字花刺しアレンジ…かな?

 

十字花刺しは、以前、ミニ花ふきんで刺したことがありました。大好きな文様です。

✻そのときの記事がこちらです↓

tsukikana2.hatenablog.com


■文様の細かさと糸の太さの相性が試せる

次に試したのは「変わりあじさい刺し」。…かな?笑
Instagramで見掛けて、すぐに方眼ノートに写し取ってみました。以前、アジサイ刺しの花ふきんを刺したとき、くぐり刺しの楽しさに魅了されたのを思い出し、いろいろなくぐり刺しをしてみたかったのです。

 

刺し子の画像_モチーフ試し刺し5

2列並びの格子を刺してからくぐらせます

 

✻以前に刺した、あじさい刺しはこちら↓

tsukikana2.hatenablog.com

 


方眼ノートが5ミリというサイズなので、この文様には細かすぎるかも?と思ったのですが、アトリエKazuさんの細糸(20/3)を使ってみたら、とても繊細な絵柄になりました。

 

刺し子の画像_モチーフ試し刺し6

5ミリ方眼に段染めの細糸でくぐり刺し

 

こんな風に、文様の細かさと糸の太さの相性をチェックすることもできて、ますます試し刺しが気に入ってしまった私です。


ちなみに、試してみたいという気持ちはちょっと前から高まっていて、Kazuさんの素敵な段染め糸を、こんな風に刺しゅうしたことがあります。

 

刺し子の画像_モチーフ試し刺し7

刺し子糸で100ネエサンの服を刺しゅう

 

いつもは「線」で見ている刺し子糸を、「面」で見てみたいと思ってしまい、100ネエサンの服を借りました(*^-^*)

Kazuさんの段染めのグラデーションは、やはり面で埋めても綺麗なんですね。せっかくだから、チャームに仕立てました♪

 

✻100ネエサンについては、以前もうひとつのブログで書いています↓

tsukikana.hatenablog.com


■小さなサイズの愛おしさ

小さな布で試し刺し。他にもいろいろメリットがありますね。

大きな花ふきんを作るには足りないな、という“余り糸”を活用することもできますし、買ってみたものの使いどころに困っている色の糸なども、サンプラーとして活躍してもらうこともできます。

私も、去年メルカリで購入した3色セットのムラ染めの刺し子糸を、これからも試し刺しで使っていきたいと思っています。可愛いと思って買ったし、今も可愛くて好きなのですが、何か作品を、と考えると難しいんですよね。

たとえば、こちらの「花格子」。←これも名前が合っているのか自信ないです

 

刺し子の画像_モチーフ試し刺し8

2色使いのバランスを試す。アイロンで下書きを消したのが右側

 

オレンジとクリームイエローは可愛いのですが、大きなものを刺すには甘さが際立ってしまいそうです。

でも、この小さなサイズだったら素直にその甘さを楽しめます。今回は2色使いのバランスを考えたかったので、この組み合わせ方が今後の参考になりそう。


それにしても、小さなサイズって、愛おしいですよね。このままサンプラーとして透明のファイルにでも入れていくつもりでしたが、最初に刺した「十字花刺しアレンジ」はたまらず何かに仕立てたくなってしまいました。笑

 

刺し子の画像_モチーフ試し刺し9

額装?いえいえ、普段使っているトレイです♡

 

セリアさんの小さなフォトフレームは、大きさ、深さがちょうどいいので、ピンクッションやハサミ、糸通しなどをのっけています。この軽くてコンパクトなトレイのおかげで、あちこち移動して作業できます(*^-^*)

でもまあ、フレームの雰囲気と、この刺し子糸のピンクは似合いませんね~。笑
そのうち差し替えますが、しばらくはこの文様の可愛らしさを手元で味わってみることにしましょう。


小さな布でモチーフを試し刺し。なかなかの楽しさで、しばらくはまりそうです。自分でも○○アレンジ、なんて考えられたら、きっともっと楽しくなりますね。

そして、いろいろ便利そうですよ。例えばポーチとか、刺し子をあしらった何か小物づくりをするときにも、モチーフの大きさがわかっていればイメージしやすいかもしれません。

「ああ、こんな文様をこんな風にあしらって仕上げたら素敵だろうなあ」などと、いろいろ妄想が膨らみますが、…それにつけてもお裁縫が上手になりたい私です。笑

 

 

刺し子の画像_モチーフ試し刺し10

手軽さが嬉しいモチーフ試し刺し



 


刺し子13作目は、花分銅の花ふきん

 

絵画のような曲線の図案を、なみ縫いだけで描いていく。前回の「流水」ではそんな体験をしました。刺し子、とひとことで言っても、いろいろあるんだなあと実感した私です。

また、刺し子糸の魅力についても改めて感じるところがあり、新しい糸との出合いに対しても、積極的に考えるようになりました。世の中には素敵な刺し子糸がたくさんあるのですね。

さて、前回が割と渋めの(?)文様だったので、その反動かもしれませんが、今回はふわっと優しい、可愛らしい文様を選んでみました。

刺し子初心者。13作目は、ホビーラホビーレさんの「花分銅」387です。

 

 

刺し子の画像_花分銅の花ふきん1

花分銅

 


■一目惚れした「まだら染め」

インスタで目にして、その可愛らしい色合いに目が釘付け。でも、実際に見てみるまではわからないよね、と3秒迷ってやっぱり購入を決めた、それが、今回使った「絲-ito-」さんの刺し子糸です。

果たして、想像通りの可憐さで、とにかく色が可愛い!
段染め糸2種とまだら染め糸1種を注文したのですが、その他に少量の糸もおまけして送ってくださいました。

 

刺し子の画像_花分銅の花ふきん2

絲-ito-の刺し子糸

 

今回は、購入した3種の糸で刺していきます。
どれもパステル系や、時にくすみ系の、淡い綺麗なカラーのグラデーションなのですが、かなりたくさんの色が入っている印象です。

特にまだら染めのピンク系は、濃淡のパープルやオレンジ、オフホワイト、薄い水色までも混じっていて、いったい何色出てくるの?と驚くくらい次々に色が変わっていくのです。それはそれはカラフルで、刺している間中、心躍りました。

カラフル、といっても自然な優しい色味なので、上品です。例えばニュアンスカラーの色鉛筆セットを手にしている、みたいな感じでしょうか。ときめきました。

1本の糸で刺しているのに、4枚の花びらの色がすべて違ってくる、ということもあり、この花分銅にはピッタリの糸かもしれません。とにかく楽しいので♪

 

刺し子の画像_花分銅の花ふきん3

ピンク系のまだら染め。花びらがこんなに多彩

 

ところで、まだら染めとは何でしょう。段染めとはどう違うのでしょう。

「絲-ito-」さんのサイトによると、段染め糸とは、1本の糸に様々な色が並んで入っている糸のことで、数cmから数十cmごとに色が変わり、色の境目なども独特の色が出るのだそうです。

また、まだら染め糸は、こちらの店主さまのお母さま(染めをご担当)が独自に編み出した染め方で染められた糸とのこと。たくさんの色が入り、完全にランダムに染められているそうです。

 

✻絲-ito-さんのサイトの記事です↓

sashikoito.stores.jp

 

絲-ito-のまだら染め。一目惚れした子にまた惚れなおした、といったところでしょうか。舞い上がり過ぎかな?笑


■3目重ね縫いで糸継ぎ

花分銅の刺し方はシンプルです。ホビーラホビーレさんの説明書に従って、悩むことなく刺し進めることができました。

斜めラインを2方向。最初のラインで花も刺していきます。4弁の花びらを順番に、反時計回りに進めていくので、布をくるくる回しながらになりますね。なかなか面白かったです。

難しくはないのですが、糸処理はどうしようかと、ちょっと考えました。

端の方のラインは、枠線の外から始めて外で終わり、糸を後で処理(近くの糸端と固結び)すれば大丈夫ですけど、中央寄りのラインになってくると、糸の長さが足りなくなり、途中で継がなければなりません。

前回は、枠内は3針返し縫いで糸処理をしました。今回もそうするつもりだったのです。しかし、ネット検索しているうちに、重ね縫いで糸継ぎする方法を知りました!

返し縫いなしで、ただ3目ほど重ねるだけ。玉留めもなし。

それで、本当に大丈夫なの?とちょっと不安ではあったのですが、裏に出した古い糸端と、新しく始めた糸端(これも裏から)を、すぐには切らずに、水通しして落ち着かせてからカットすれば大丈夫、という説を信じようと思いました。
ら、楽なので・・・(^_^;)

 

刺し子の画像_花分銅の花ふきん4

裏側。こんな感じで糸継ぎを

 

重ね縫いする部分は、新しく始める糸が表から見えないように、古い糸の下に刺すと良いようです。裏布だけに刺す、という感じでしょうか。

段染めなどで気を付けたいのが色の変化ですね。終わったときと同じ色味で始めれば、糸継ぎした部分が目立ちません。

 

刺し子の画像_花分銅の花ふきん5

表からはほとんど糸継ぎがわからない

 

刺し子の画像_花分銅の花ふきん6

1方向が終わったところ。右側は裏面

 

■二重の枠と、ウェービーな枠飾り

花びらも描く1方向目は、ピンク系とブルー系(これもニュアンスカラーのブルーグレイや淡い水色、グリーンやクリームも入っていて大好き♡)を交互に刺して、2方向目は、枠線と同じグリーン系の段染め糸で刺しました。

 

刺し子の画像_花分銅の花ふきん7

このニュアンスカラーがたまらない♪

 

そして今回は、枠線の外側3ミリのところに線を引き(水で消せるチャコパ―で)、パステルピンクのムラ染め糸でなみ縫いをした後、同じ糸で枠飾りをしてみることに。

この糸は、昨年の初夏にメルカリで入手した刺し子糸のひとつです。3色セットでした。他のレモンイエローとオレンジは、柿の花のミニ花ふきんに使用しています。

 

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実は、このとき使用せずに残ったピンクの糸の使いどころはないかなと、折に触れ考えていたのです。で、今回、甘めな文様の、外枠のそのまた外枠を飾ってもらうのに、ちょうど良いのではないか?と思ったのでした。

グラデより単色が良さそうだと感じるし、糸の細さも揃っているし。
ただ、ちょっとフェミニンになり過ぎたかもしれません。笑

枠飾りは、これまでのとは変え、ゆるやかな波を描くような、ちょっとウェービーなものに初挑戦。そうそう、枠飾りをするときは、絡める糸の厚みを考慮して、枠線のなみ縫いはゆるめに刺すと、仕上がりがギチギチになりません。

 

 

刺し子の画像_花分銅の花ふきん8

花分銅、完成です

 

刺し子の画像_花分銅の花ふきん9

光に透かすとこんな感じ

 

■分銅をデザインした縁起の良い文様

花分銅は、縁起の良い吉祥文様である「分銅つなぎ」に4弁のお花を組み合わせた、ホビホビさんのオリジナルデザインのようです。大きな斜めのカーブした線で、分銅の形を描いているのですね。

元となる「分銅」は、その昔、貨幣を計算するのに用いられたもの。天秤のお皿に乗せていた金属なのですが、その形は左右が弧状にくびれてなかなか洒落ていたようで、財宝を意味する縁起の良さとも相まって、家紋に用いられたりもしたようです。

お金に関わるものなので商売繁盛の意味合い。また、学業向上の文様とも言われているそう。

いつかはその「分銅つなぎ」の文様も、刺してみたいと思います。
どんな糸が似合うのでしょうね(*^-^*)

 

 

刺し子の画像_花分銅の花ふきん10

カラフルな糸がお似合いの花分銅



 


刺し子12作目は、流水の花ふきん

 

8月も残り2日となりました。長かった夏も、そろそろ後ろ姿を見せています。

夏の間に、涼し気な文様を刺してみようかな、なんて思っていたのですが、ちょっとのんきにしてたらもう季節が変わろうとしていて、少し慌てました。お盆を過ぎると、秋の気配が漂い始めるんですね。

でも、なんとか8月中にひとつ、仕上げることができました。

刺し子初心者。12作目は、ホビーラホビーレさんの「流水」403です。

 

 

刺し子の画像_流水の花ふきん1

流水



■祈りの込められた古典柄

この刺し子布は、ホビーラホビーレさんの店頭で見掛けて買い求めたものです。水の流れを曲線で絵画のように表現していて、粋で大人っぽいデザインだなあと気に入ったのです。

後でホビホビさんのサイトを見て、流水文様というのは古典柄であると知りました。苦難や厄災を流すお浄めの意味がある文様とのことです。着物の柄にもよく使われ、男性にもおすすめの模様なのだとか。それを、刺し子用にアレンジしたそうです。

厄災。まさに今、私たちが経験しているやっかいな疫病のことが頭をよぎります。早く終息して、と願ってから、もう3度目の夏を見送ろうとしているのですね。

私も、お浄めの祈りを込めながら刺そうと思いました。絶えず止まることなく流れる、清らかで美しいせせらぎを心に浮かべると、穏やかに気持ちが整っていく気がします。

この文様、他にも“火から身を守る”などの願いも込められているようです。伝統文様に込められた意味や祈り、願いについて、刺し子を始めるまではあまり考えたことがなかったのですが、今は興味を覚えるようになりました。


さて、まずは布の準備から。
今回も、最後にコの字とじで仕上げることにしました。

一目刺しではないので、枠外での糸処理ができない。それなら最初に仕立てておいてもいいかな、とも思ったのですが、コの字とじだとふきんの角が綺麗に作れるので、やはりこの方法にしました。

ちょっと慣れてきたのか、準備が早くなった気がします。布を裁つときも、印は表布にだけつけて、待ち針で表裏合わせて一緒に裁ちます。表布の縫い代を折り込み、それに合わせて裏も折り込めばOK。その後、仕付けをかけます。

 

刺し子の画像_流水の花ふきん2

枠外1.5㎝の余白をとり、縫い代分をとって、裏布と一緒に裁断

刺し子の画像_流水の花ふきん3

裏布には印をつけずに、表に合わせて折り込む

 

■アトリエKazuは太糸も可愛い?

糸は今回、1種類だけ使用しました。染色アトリエKazuさんの段染め糸です。20/6という太い糸で、この太さは初めてでした。
※20/6…20番手の糸を6本撚ったもの

 

刺し子の画像_流水の花ふきん4

どんな表情を見せてくれるかな?と糸を置いてみる

 

ごつい感じになるのかも、とちょっと心配しましたが、大丈夫。Kazuさんの糸は太くても可愛いようです。笑

太糸はふっくらしていて、縫い目がぷくぷく立体的になり、愛らしい表情になるのだと知りました。ほんと、刺してみるまでわかりませんね!

そして、色。ブルーからグレー、ベージュへと続くグラデーションが綺麗です。このベージュがまるでミルクティーのような色合いで、甘く優しく可愛らしい♡

そうそう、この糸は去年、玉巻きの記事を書いたときに糸玉にしたものです。ようやく出番が回ってきました!

 

tsukikana2.hatenablog.com

 


■刺し始めと刺し終わり問題

まずは、枠線を刺します。枠線は、糸端の処理が今まで通りに枠外でできました。

 

刺し子の画像_流水の花ふきん5

枠線を刺す。右側は糸端の処理。

 

けれども。
今回のデザインは、規則性のない曲線を描いていて、これまでのように全て枠線の外で糸端同士を固結びする、ということができません。刺し始めと刺し終わりをどうするか。

玉留めを避けたい私は……そう、3針返し縫いをするしかないのでしょう。重なった部分の膨らみが、太い糸だと余計に気になりますが、仕方ありません。

せめて、端から端までつながるラインは、枠線に重ね縫いすることに。その次に、端から始まるラインは、刺し始めだけでも枠線に重ね縫いして、刺し終わりは返し縫いに。・・・あがきます。笑

 

刺し子の画像_流水の花ふきん6

刺し始めは枠線に重ね縫いして

刺し子の画像_流水の花ふきん7

中で終わるラインは、3針返し縫いで始末

刺し子の画像_流水の花ふきん8

裏はちょっと盛り上がるけど。右は表側。さほど目立たない?

 

できるだけ、糸処理をする箇所を少なくしたいので、まるで一筆書きをするように、道順を考えました。脳トレになるんじゃ?と思うくらい悩みましたが、良いコースを見つけると喜びが溢れてきました。笑

 

刺し子の画像_流水の花ふきん9

布と布の間に糸を渡し、切らずにつなげていく

刺し子の画像_流水の花ふきん10

1か所だけあった糸端ご近所さん。枠外固結びはやはりラク♪

 

そして、最後には観念して(笑)、残ったラインは刺し始めも返し縫いをしました。

 

刺し子の画像_流水の花ふきん11

刺し始めの返し縫い。飛び出した糸は後でカット

 

道順には悩みましたが、特に難しいこともない、素直なデザイン。ただカーブが多いので、布がつれないように、糸の引き具合にはちょっと気を使いました。

この後、枠飾りをして、コの字とじをし、水通し、アイロンをかけて完成です。

 

刺し子の画像_流水の花ふきん12

流水、完成です。

刺し子の画像_流水の花ふきん13

裏はこんな感じ

 

■幾何学模様とは違う魅力

規則性があり、連ねることによって面白味が増してくる幾何学模様が、私は好きです。そんな文様が多い刺し子ですが、そうでないデザインもあることは知っていました。

絵画のような曲線を刺していくことを、幾何学模様が好きな自分は楽しめるかな?と少し心配していたのですが、どうやら杞憂でした。

シックで素敵なデザインだったからでしょうが、美しい水の流れを破線で表現していくことが、とても気持ち良かったし、仕上がりが楽しみでした。

これからも、自分の好みを頭で考えず、直感で「刺してみたい」と思った文様にトライしていこうと思います。糸処理のことも、なんとかなるかと。笑

いろいろ、縛られずに自由に楽しめたらいいですよね。可愛い糸を触っていたら突然、ミニチュアの帽子を編んでみたくなり、刺し子の途中で横道にそれたのですが、それもまあ、自由でOKということで♪

 

刺し子糸で編んだミニチュア帽子

おまけ。刺し子糸で編んだちびっこ帽子

 

さて、次は何を刺そうかな。今、楽しく考え中。(*^-^*)
次回に続きます♪

 

 

刺し子の画像_流水の花ふきん14

粋で涼し気な流水